
ニルマル・ナラヤナン
リヤド:COP26で議長を務めたアロク・シャーマ氏によれば、世界が気候変動と真剣に取り組み、より良い未来を確保する必要に迫られる中、人類全体の長期的命運は化石燃料にはない。
COP27として知られる、エジプトのシャルム・エル・シェイクで開催されている国連の気候変動会議で発言したシャーマ氏は、人類は気候変動に関する目標達成において進歩してきているものの、なすべきことはまだまだ多くあると繰り返した。
シャーマ氏はまた、2014年以来エジプト外相を務めるサーメハ・シュクリ氏にCOP議長職を引き継いだ。
「国連事務総長の発言は明確なものでした。
我々人類が共有する長期的未来は、化石燃料にはありません。私は事務総長に心から同意します。
今年発表された主要な報告書のいずれも、進歩があったということを示しています」とシャーマ氏は語った。
シャーマ氏は続けて、以下のように述べた。
「これらすべての進歩にもかかわらず、未だ我々の前に立ちはだかる困難の大きさを、私は十分に認識しています。すべての報告書によれば、我々は進歩していますが、そこで同じく明確に述べられているのは、この非常に重要な意味を持つ10年間でやらなけれなばらないことがまだまだ多くあるということです」
シャーマ氏はまた、ネットゼロ目標を実現したとしても、地球の気温は今世紀末までに1.5℃ではなく、1.7℃上昇するということに注意を促した。
さらに氏は、進行中のウクライナでの戦争が世界規模の危機をもたらしていると指摘した。
「世界が経験する逆風は、我々の進歩する能力を試しています。プーチン氏がウクライナに仕掛けた残虐で不法な戦争は世界が抱えるエネルギー、食糧、安全保障、インフレ圧力、人々の死といった複数の危機を加速させました。これらの危機がすでにあった気候による脆弱性とパンデミックの影響を悪化させているのです」
氏は次に、世界のいくつかの企業と金融機関も、より良い明日のためにネットゼロ目標を掲げているとした。
「世界中の国と企業が分野ごとに目に見える成果を出しており、再生可能エネルギーの導入も前倒しで進められています」とシャーマ氏は付け加えた。
続けて、氏は2030年の予測温暖化ガス排出量は6ギガトン減少する見込みであると述べた。
これは現在の世界の年間排出量の12%に相当する。