
シャルム・エル・シェイク:アラブ首長国連邦とエジプトの両大統領は火曜日、エジプトで世界最大級の陸上風力発電プロジェクトを開発する合意書の調印に立ち会った、とアラブ首長国連邦の国営通信社が公式に発表した。
合意書は、アラブ首長国連邦の再生可能エネルギー企業であるマスダール社と、エジプトの主要な再生可能エネルギー開発企業であるインフィニティ社およびハッサン・アラム・ユーティリティズ社との間に締結された共同事業契約と同時に署名された、とWAM通信社は報道している。
マスダール社は、総額200億ドル以上、総発電容量15ギガワット以上の再生可能エネルギー資産に投資しており、この新しいプロジェクトはこれまでで最大のものとなると述べている。
マスダール社CEOであるモハメド・ジャミール・アルラマヒ氏は、「マスダール社は過去最大のプロジェクトの開発に合意しました。これによりエジプトの再生可能エネルギー目標へより大きく貢献できることを誇りに思います」と述べた。
火曜日の合意書は、エジプトの沿岸都市シャルム・エル・シェイクで開催中の国連気候変動枠組み条約第27回締約国会議(COP27)の傍らで調印された。
国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)はアラブ首長国連邦で開催される見通しだ。
この風力発電所が完成すれば、2035年までに再生可能エネルギーがエジプトのエネルギーミックスの42%を占めるようにすることを目的とした、再生可能エネルギープロジェクト専用の送電網である「緑の回廊」構想の一部となる。
この風力発電プロジェクトにより、エジプトは天然ガスにかかる年間推定50億ドルの費用を削減することができる、とWAM通信社の公開した声明で述べられている。エジプトの総設備電力容量は2019年から2020年の時点では約59.5GWであった、とエジプト当局は年次報告書で発表している。
マスダール社とインフィニティ社の合弁会社であるインフィニティ・パワー社の会長、モハメド・マンスール氏は声明の中で、「このプロジェクトによって、エジプトは膨大な量の天然ガスを節約することができ、それによって経済成長を達成し、二酸化炭素排出量を削減し、持続可能なエネルギー源へのアクセスを拡大できます」と述べている。
今年4月、マスダール社とハッサン・アラム・ユーティリティーズ社は、スエズ運河経済圏と地中海沿岸に4ギガワットのグリーン水素製造プラントの開発協力を行う旨の合意書を、エジプト政府の後援を受けた組織との間で2つ調印している。
そのプロジェクトの第一段階では、2026年までに、年間10万トンのeメタノールを製造できるグリーン水素製造施設の開発を行い、スエズ運河での燃料補給用に稼働する、声明は述べている。
同施設の電解槽は2030年までに最大4ギガワットまで拡張され、輸出用に230万トンのグリーンアンモニアを製造するとともに、地元産業向けにグリーン水素を供給することが可能だという。
ロイター