
東京:日本の電気通信会社ソフトバンクの宮内謙CEOが金曜、親会社であるソフトバンクグループに対するヘッジファンド「エリオット・マネジメント」の投資を歓迎し、同社株式が過小評価されているとするこの物言う投資家の指摘は「プラス」と述べた。
エリオットはこのテック・コングロマリットの株式を約3%取得しており、企業ガバナンスの強化や自社株買いなど、企業価値を押し上げるための変化を迫っていると情報筋は言う。
エリオットは「同社の評価額が低すぎると考えており、その意味でソフトバンクグループにとっては現在のところプラス」と、宮内は述べた。
ソフトバンクグループの株式は慢性的に過小評価されていると同社幹部は考えており、エリオットの投資が報道された後の金曜には株価が終値で7%上昇した。
宮内のコメントは、ソフトバンクの第3四半期の営業利益がモバイル事業に支えられて市場予想を上回る15%増になったことを報告した際に行われた。
また同社は通年の営業利益予想を、前回の8,900億円から9,000億円(82億ドル)へ上方修正した。
10~12月期の営業利益は、1年前の2,110億円に対し2,430億円だった。この数字はリフィニティブ社による3種類の予想の平均値2,400億円とほぼ同じだった。
ソフトバンクは純利益の85%を配当として支払うことを約束しており、67%の株式を保有する親会社ソフトバンクグループへ継続的にキャッシュが流れている。そのためソフトバンクは配当利回りに敏感な日本の個人投資家に人気の銘柄となっている。
宮内は、自社株買いよりも配当の方が優先順位は高いと述べた。
26%を保有する中国のアリババの株式と共に、この携帯電話キャリアは引き続き親会社の市場価値を支え続けている。親会社のソフトバンクグループは9月に終了した四半期業績について、テック投資の低迷により14年ぶりの四半期損失を報告した。
創業者の孫正義は日本の通信市場への参入によって富を築いたが、その評判を左右するのは1,000億ドル規模のビジョンファンドの成績かもしれない。同ファンドの成績はグループの業績発表がある水曜に報告される予定だ。
ソフトバンクのライバルであるNTTドコモとKDDIは先週、それぞれの営業利益を15%減および11%増と報告した。
ソフトバンクの安定した収益力は、孫が早い時期に行った大型海外投資の1つである米国の携帯電話事業者スプリントとは対照をなす。スプリントは先週、契約ユーザー数の減少を報告している。
アナリストたちは、この赤字会社が自分より規模の大きい競合相手である米国T-モバイルとの合併を実現できなければ、その将来の見通しはかなり厳しいものになると述べている。
ロイター