
パリ:フランスの自動車メーカー、ルノーが昨年、販売の減少と、日本のパートナー、日産の貢献が落ち込んだことにより、この10年で初めて赤字転落し、純損失は1億4100万ユーロ(1億5200万ドル)となった。
ルノーは2020年の同社の見通しは、営業利益が新たに落ち込み、厳しくなると、金曜日、声明の中で発表した。
ルノーは「難しい状況」にも関わらず、「10月には目標を達成し、見直しを行った」としているものの、昨年のグループの営業利益率は6.3%から4.8%へと下落した。
巨大自動車企業は2019年、報酬の過少申告やルノーのパートナー、日産の会社資産の不正使用を含む不正会計疑惑をめぐり、2018年11月に日本で逮捕された、企業の顔のカルロス・ゴーン元CEO不在の最初の1年を過ごした。
ブラジル生まれで、フランスとレバノンの国籍も持つゴーンは、日本での保釈中に行方をくらまし12月に逃げ込んだレバノンに現在も滞在している。
苦戦を強いられている世界的自動車メーカー、ルノーは、グループの収益が3.3%落ち込み555億ユーロとなり、一方の売上も3.4%下落して375万台となることが確実になった。
営業利益がほぼ3分の1の21億1000万ユーロになることを発表した同グループは、2020年には2019年と同程度の収益でさらに利益を伸ばせる見込みだと語った。
「2020年の見通しは、市場の不安定さが見込まれ… また、コロナウイルスが影響を与える可能性があることから、限定的なものにとどまっている」と、クロチルド・デルボス暫定CEOが語った。
ルノーは、苦戦を強いられている日産などからの財務貢献が落ち込んだことからも損失を被った。ルノーは日産の43%の株式を保有しており、2億4200万ユーロと、2018年の15億1000万ユーロから下落することになった。
木曜日、日産は、需要の弱さとゴーン事件の影響で苦戦する中で、同社の純利益が12月までの9ヶ月間で87%以上落ち込んだと発表した。
日産はまた、通期売上・利益見通しも下方修正したものの、拡大するコロナウイルス危機の影響はこの数値にはまだ含まれていないと注意を促した。
金曜日の業績発表で、ルノーは、金融危機の真っただ中にあり、31億ユーロの損失を出した2009年以来の赤字に転落した。同社は、配当金を3分の2以上引き下げて1株当たり1.10ユーロとすると語った。
昨年は、ゴーン事件の後、最高責任者のティエリー・ボロレが解任されるなど、ルノーの管理職層でさらに激変が起きた。
デルボスが一時的に後任に就任したものの、最近ではフォルクスワーゲンのスペインの子会社シートの社長を務めたイタリア人のルカ・デ・メオに席を譲る予定だ。
彼の最初の任務の1つは、この1年間で10年ぶりの低水準となる半分近くまで落ち込んだルノーの株価という形で、低迷する投資家の信頼を回復することになるだろう。
AFP通信