
トヨタ自動車は28日、保有するKDDI株式の2割を売却すると発表した。KDDIが31日に開始する自社株買いに応募する。1株当たり3900円で、売却額は約2500億円。トヨタは資産の有効活用のため、政策保有株の売却を進めており、電気自動車(EV)などの成長分野に資金を充てる。
トヨタは京セラに次ぐKDDIの実質第2位の株主で、3月末時点で約15%を保有。売却後の保有割合は約12%となる。
トヨタ広報担当者は「KDDIとの最適な資本関係を検討した結果、保有株式の一部を売却することが適切と判断した」と説明した。トヨタとKDDIは、「コネクテッドカー(つながる車)」と呼ばれる自動車の通信基盤開発などの分野で提携しており、「今後も協力して取り組んでいく」としている。
トヨタは1980年代に通信事業に参入し、日本移動通信(IDO)などに出資。2000年にIDOが京セラ系の第二電電(DDI)、KDDと合併し誕生したKDDIの大株主となった。
トヨタは昨年度、資本効率向上のため野村ホールディングスや関西ペイントなどの株式も売却した。
時事通信