ジャニーズ事務所創業者の故ジャニー喜多川氏による性加害問題を受け、大手企業が同事務所所属タレントの広告起用を見送る動きが加速している。日本マクドナルド(東京)は12日、「いかなる人権侵害も許容しない」とし、契約更新しない方針を表明。花王も同日、広告などについて「可及的速やかに中止する」と発表した。第一三共ヘルスケアや伊藤ハムも、広告の契約更新を行わない方針を明らかにした。
日本マクドナルドは木村拓哉さんを起用している。同様に木村さんのCMを放映する日産自動車は11日、当面の間、所属タレントを新たに広告宣伝に起用しないとする声明を発表した。
当初、多くの企業が「事務所の対応を注視する」(食品大手)などとして静観していたが、同事務所が7日に記者会見し、性加害を初めて認めて謝罪したことで風向きが一変。東京海上日動火災保険は同日、事務所との契約解除を検討していることを明らかにした。かつてアイドルグループ「嵐」を起用していた日本航空も、所属タレントの新たな広告起用を見送ると表明した。
8日にはアサヒグループホールディングスが、所属タレントを起用した新たな広告活動は今後行わないと決定。キリンホールディングスとサントリーホールディングスは、事務所の適切な対応が取られるまで、契約更新を含め、新たな契約を結ばない方針を明らかにした。
一方、モスフードサービスは「被害者救済などの状況を確認しながら対応する」(広報担当)として、所属タレントが登場するCMを13日から予定通り放映する。不二家は現契約は継続した上で「更新は事務所の動向を注視する」としている。
時事通信