
東京:日本の宇宙探査機「ムーンスナイパー」に搭載された小さなロボットは、大きなミッションを背負っている。トランスフォーマーのおもちゃのように展開し、月面をじりじりと移動して、地球に画像を送信するのだ。
大手おもちゃ製造会社と共同開発された、変形機能を備えたSORA-Qロボットは、金属製のボディで埃っぽい月面を走行できることから、『スター・ウォーズ』のドロイドやウミガメにたとえられる。
だが、このガジェットが大いなる一歩を踏み出せるかどうかは、高精度着陸月面探査(SLIM)のミッションを背負い、JAXAが「ムーンスナイパー」の愛称で呼ぶ探査機による、高精度着陸の成否にかかっている。
軽量探査機は20日午前0時(グリニッジ標準時19日15時)に月軌道からの下降を開始し、約20分後に月面に到達する予定だ。
成功すれば、日本は米国、ソ連、中国、インドに続いて月面に到達した5番目の国となるが、けっして確実とはいえない。
直径8cm、重さ250gのSORA-Qは、テニスボールより少し大きく、重さは大きめのジャガイモほど。JAXAと共同開発に携わったのは、1984年のオリジナルのトランスフォーマーを手掛けた、おもちゃ製造会社のタカラトミーだ。
ソニーグループと京都の同志社大学も開発に協力した。金属製の外装が展開すると現れる、オレンジ色のパネルにフロントカメラを内蔵し、後部にもカメラを備える。
走行はタイヤ式ではなく、本体を構成する2つの半球が突出し、並行して回転する設計になっている。これによりSORA-Qはごつごつした表面を走行可能で、またサイズと重量を抑えることにも貢献した。
「変形機構と超コンパクト・超軽量のデザインは、おもちゃ開発のノウハウを活かして生まれた」と、SORA-Qの特設ウェブサイトは説明する。
SORA-Qは2種類の走行様式を備え、斜面の走行を得意とする。先述のサイトでは、「左右のホイールが同時に回転するバタフライ走行と、左右が独立に回転するクロール走行」と説明されている。
開発チームによれば、SORAは日本語で「宇宙」を意味し、Qは「疑問(question)」や「探究(quest)」を示す。
ミッションが成功した場合、ロボットに搭載されたカメラは月面クレーターの貴重な画像を撮影することになっている。この地点には、通常は月の地殻の下に隠れている、マントルの一部が露出しているとみられる。
地球上では、リビングルームを走行してネコや赤ちゃんの写真を撮影できる、探査ロボットのおもちゃバージョンが21190円(140ドル)で購入可能だと、プロモーションビデオは宣伝している。
AFP