
神戸市立王子動物園(同市灘区)は1日、ジャイアントパンダの雌の「旦旦(タンタン)」が3月31日夜に死んだと発表した。2021年3月に心臓疾患が判明し、治療中だった。死因は心臓疾患による衰弱死とみられる。28歳で国内で飼育されているジャイアントパンダでは最高齢だった。
同園によると、31日午後10時すぎに飼育員が心肺停止状態と気づき、獣医師が蘇生措置を行ったが、午後11時56分に死亡を確認した。
タンタンは2000年、日中共同による飼育繁殖研究のため、雄の「興興(コウコウ)」(10年に死ぬ)と共に来日。20年にいったん中国への返還が決まったが、新型コロナウイルスの感染拡大やタンタンの病状により延期され、借受先の中国から専門家が来日し、投薬治療などを行っていた。
同園は2日に献花台を設ける予定。新たなパンダの飼育については中国政府の関係機関と協議するという。
記者会見した加古裕二郎園長(55)は「(阪神大震災から)間もない時期に来てくれて、神戸市民、日本のファンの皆さんに勇気を与えてくれて、神戸の復興を見届けてくれた」と話した。
JIJI Press