
アラブニュース
ロンドン: 英国人俳優リズ・アーメッドが、映画業界で最も名誉あるオスカー賞の最優秀主演男優にノミネートされた初めてのイスラム教徒になり、歴史を作った。
38才のアーメッドは、薬物中毒から回復しつつあるロックンロールのドラマー、ルーベンが、聴覚を失って人生がどん底に落ち込むストーリー『サウンド・オブ・メタル』での役でノミネートされた。
アーメッドはタイムズ誌に対し、アルコホーリクス・アノニマスの集会に参加したり、ドラムや手話を習ったりすることで、ルーベンのキャラクターへ自分をどっぷり浸からせたと話した。
「あなたが自分自身や安全地帯から自分を引き離すものについて学ぶ時、そして本当の意味でそれらを学ぶ時、あなたは結局、自分自身へ立ち返ることになります」と、アーメッドは述べた。
「俳優として、そのような分離した状態からスタートすると、最後にはおかしなことに、誰かをつかまえて「これが俺だ!」と話したくなります」と、彼は付け加えた。
「『サウンド・オブ・メタル』でのルーベンの旅路は、私の旅路にもなりました。そしてそれは、私の人生を間違えなく変えました」
イスラム教徒がオスカーを受賞したことは過去にもあるものの、誰もが欲しがる主演男優賞にノミネートされたのはアーメッドが初めてである。
アメリカ人イスラム教徒のマハーシャラ・アリは、2017年の『ムーンライト』と2019年の『グリーンブック』での役でオスカー助演男優賞を2度獲得したが、主演でのノミネートはこれまで縁がなかった。
アーメッドの対抗馬となるのは、ノミネート6回・受賞1回のアンソニー・ホプキンス、受賞1回のゲイリー・オールドマン、故チャドウィック・ボーズマン、およびスティーヴン・ユァンである。オスカー授賞式は4月25日に開催される。