Since 1975
日本語で読むアラビアのニュース
  • facebook
  • twitter
  • Home
  • 特集
  • 渋々始めた日本の山下審判員がワールドカップの歴史に名を刻む

渋々始めた日本の山下審判員がワールドカップの歴史に名を刻む

2022年6月27日撮影。千葉県にある日本サッカー協会(JFA)が運営する施設でトレーニングをする日本人審判員の山下良美氏。(AFP)
2022年6月27日撮影。千葉県にある日本サッカー協会(JFA)が運営する施設でトレーニングをする日本人審判員の山下良美氏。(AFP)
Short Url:
21 Oct 2022 12:10:41 GMT9
21 Oct 2022 12:10:41 GMT9
  • 日本人としての誇りと責任を胸に大会に臨むと、36歳の山下氏は語る

東京:山下良美氏は「強引に引き込まれた」ことで、初めての試合の審判を務めた。そして今では、男子ワールドカップ初の女性審判員の1人として歴史を作ろうとしている。

日本の山下良美氏は、カタール大会の36名の審判員の中の3人の女性の1人だ。他の2名はフランスのステファニー・フラパール氏、ルワンダのサリマ・ムカンサンガ氏。

この5月の任命は、4月にアジアサッカー連盟(AFC)チャンピオンズリーグの試合で初の女性審判員となった山下氏の急成長のキャリアにおける、直近の大きな節目となった。

山下氏(36)は、カタール大会の審判に選ばれ、「誇りと責任」を感じたと述べた。この大会では69名の副審の中にも、初の女性審判員3名が参加する。

のちに国際審判員となり、2019年女子ワールドカップで副審を務めた大学時代の友人、坊薗真琴氏の強い勧めにより、山下氏は初めてホイッスルを手にした。

最初は乗り気ではなかったが、この経験によって夢中になった。

「坊薗さんに半ば引きずられるように試合に連れていかれ、それが始まりとなりました」と山下氏は語った。

「ひとつの試合をやると、次をもっと上手にやりたいと思うようになります。あらゆるすべきことについて考えるようになります」

8月に日本初のプロの女性審判員となった山下氏は、よりハイレベルな試合を担当するようになった時、「日本の女性サッカー界に貢献できるかもしれない」と気が付いた。

2015年に国際審判員になり、U-17女子ワールドカップの2016年ヨルダン大会と、その2年後のウルグアイ大会で審判を務めた。

2019年に、女子ワールドカップのフランス大会で、坊薗氏と同僚の日本人審判員、手代木 直美氏と共にトップレベルへと足を踏み出した。

同年に3人は、アジアの第2クラブチーム大会であるAFCカップで男子の試合の審判をした初の女性チームとなり、新境地を開いた。

そして今年、3人はアジアチャンピオンズリーグの試合を担当した。山下氏は、もっとやるべきことがあると語る。

「試合や大会で得たあらゆる経験を活かし、より上を目指し続ける責任があります」と言う。

「もちろん、それが自信となり、責任も増します。それら全てをワールドカップの準備に活かしたいのです」

日本サッカー協会とプロ契約を結ぶ以前、山下氏はパートタイムのフィットネスインストラクターをしていて、トレーニングを休むことはめったにない。

しかし、「あまりアウトドア派ではなく」、テレビを観たり、ジグソーパズルをしたり、テレビゲームをしたりしてくつろぐという。

山下氏は昨年5月に女性として初めて日本のプロリーグであるJリーグの試合を担当し、今年9月には初めてトップリーグの試合で審判を務めた。

カタール大会では男女を問わず唯一の日本人審判員であり、国のために上手くやることに「責任」を感じると語っている。

山下氏は、女性審判員たちはホイッスルをまかされる権利を長い時間をかけて獲得してきたと考えている。

「その信頼を築いた同僚たちがいなければ、私がワールドカップに行くことはなかったでしょう」と言う。

「信頼を台無しにするわけにはいきません。大きな責任ですが、喜んで引き受けます」

山下氏は心に残るワールドカップの特定の試合に引きつけられることはなく、「大会全体の雰囲気」に刺激を受けているという。

ワールドカップで審判を務めることは「夢」であり、「考えることもできかった」ことだという。

「日本人としての誇りと責任を胸に大会に臨み、成功させるために全力を尽くして準備します」

AFP

特に人気
オススメ

return to top

<