

東京:近ごろに大名跡を襲名した日本の歌舞伎スターが金曜日、伝統芸能を守ると同時に、より若い観客を歌舞伎へ呼び寄せるために世界中の他ジャンルのアーティストとのコラボレーションを含む新しいアプローチと取り入れていきたいと述べた。
以前は市川海老蔵として有名だった十三代目市川團十郎が今週、パンデミックによる二年の遅延を経て、数世紀の歴史を持つ一家の名誉ある芸名を襲名した。
團十郎はその襲名を祝い、市川家の「歌舞伎十八番」からいくつかの演目を東京の歌舞伎座で12月まで上演する予定だ。
歌舞伎の世界においては、芸名は一家で世襲されていくものであり、それには大変な責任と名誉が伴う。
新しい後継者は、その芸名が受け継いできたスタイル、精神、技量などの期待に応えなければならない。
歌舞伎役者は通常、そのキャリアが成熟するにつれ3つの芸名を持つ。
市川家の十三代目の後継者、そしてトップパフォーマーとして、團十郎は西暦1600年頃に始まった伝統芸能を絶やさないとう重責を担っている。
しかし彼は、ただ伝統を守るだけでは不十分だと語る。
「今日の歌舞伎役者として、伝統の継承を最大限重要視していますが、伝統ばかりに固執すれば絶滅してしまうという恐れも抱いています」と、堀越 寶世という本名を持つ44歳のスターは語る。
数世紀の歴史がある芸術に若い観客を呼び寄せることは、現代の歌舞伎役者としての任務であると彼はいう。
「古いものをただ守ることが良いのだという見方もありますが、それだけでは不十分です。伝統を守りながら新しいことに挑戦したいと思っています。それが私の決断であり、解決方法です」
團十郎は超有名映画を歌舞伎化した2019年の「スター・ウォーズ歌舞伎」でハン・ソロの息子カイロ・レンを演じ、すでにその任務に着手している。
2016年に京都で上演した歌舞伎とオペラのコラボレーションでは、彼はカウンターテナーのアンソニー・ロス・コスタンツォと共に「源氏物語」を披露した。
團十郎は能や狂言などの日本の他の伝統芸能家との共演、そしてスター・ウォーズのような世界的に有名である作品とのコラボレーションをさらに求めている。
「そういう機会があれば、傑出した海外のアーティストとコラボレーションしてみたいです」と彼は語る。
歌舞伎を含む日本の芸能界は今なおパンデミックからの回復途上だが、團十郎はソーシャルメディアを使った宣伝も模索しているという。
團十郎はこれまでにフランス、イギリス、イタリア、モナコ、シンガポール、アメリカで歌舞伎を上演している。
AP