
アクラ:トルコ大地震で倒壊したマンションの中から遺体で発見されたガーナ人サッカー選手、クリスティアン・アツ氏の遺体が自国ガーナに到着した。
遺体の受け取りを行ったガーナ政府団表団の責任者、マハムドゥ・バウミア副大統領によると、アツ選手の遺体は19日夜に同国の首都アクラに到着した。遺体は棺に入れられ、トルコ航空の航空機で輸送されたが、アツ選手の遺族や駐トルコガーナ大使が同伴したと、ガーナ外務省は伝えた。
「彼を亡くしたことはあまりにもつらく、今日はガーナにとって悲痛の日となった」と、バウミア副大統領は述べた。「我々皆が祈った。見込みの少ない中で、毎日願い続けた。しかし、真理は神のみぞ知るのだ」
アツ選手の遺体は、トルコと隣国のシリアで4万4000人以上の犠牲者を出した壊滅的な大地震から2週間近くがたった18日、トルコ南部・アンタキヤの12階建ての高級ビルのがれきの中から見つかった。地震発生の翌日、アツ選手ががれきの中から生きた状態で救出され、病院に搬送されたという報道があったが、誤報だった。
イングランド・プレミアリーグのニューカッスルやチェルシーでプレーした31歳のアツ選手は昨年、トルコのハタイスポルに加入しており、2月6日未明に起きた大地震の数時間前、2月5日のリーグ戦で決勝ゴールを決めていた。
ハタイスポルのスポーティング・ディレクターであるタネル・サヴート氏もアツ選手と同じマンションに住んでいたが、同選手と同時間に行方不明になったと伝えられており、未だ発見されていない。
バウミア副大統領は、アツ選手には然るべき葬儀が執り行われることを約束した上で、ガーナ国民は、彼の死に大きなショックを受けていると語った。アツ選手は2012年、20歳で同国代表デビューを果たした後、ガーナ代表として60試合以上プレーした。
今週、イングランドやその他サッカーリーグで行われた試合では、黙祷や弔辞によってアツ選手が偲ばれた。アツ選手が以前所属していたニューカッスルでは、ファンらが彼の写真がプリントされたプラカードを掲げた。チェルシー対サウサンプトンの試合のキックオフ前には、大型スクリーンにアツ選手の写真が映し出された。
ガーナ代表MFのモハメド・クドゥス(オランダのアヤックス所属)は、19日の試合でゴールを決めた後、ユニフォームの下に「アツよ、安らかに」と書かれた白いTシャツを見せてメッセージを伝えた。
ガーナサッカー協会は、西アフリカの同国で18日に行われた全てのプロ試合においてアツ選手に敬意を表し、黙祷を捧げるよう命じた。
AP