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サウジアラビアの初の女性寿司職人は順風満帆

自身が所有、経営し、自らキッチンに立って料理もするレストランで仕事中のKhulood Olaqi(Basheer Saleh撮影AN写真)
自身が所有、経営し、自らキッチンに立って料理もするレストランで仕事中のKhulood Olaqi(Basheer Saleh撮影AN写真)
04 Apr 2019 04:04:44 GMT9

ハラ・タスカンディ

リヤド:寿司は健康食品として有名であるが、それでも、保健衛生教育学の学生から、自ら経営するレストランで寿司職人頭となり、名だたる実業家になる道のりは非常に険しいものだろう。しかしその道のりが、リヤドの「おいしい寿司」レストランの経営者兼料理人であるオラキ(Khulood Olaqi)が10年ほど前に進もうと決心した道である。

オラキは2010年から、彼女の創造になるユニークな味の、様々な美味しい寿司を提供してきた。最初は家でオンラインの注文を取って配達していたが、それが発展して最初のレストランを開店するまでに至った。オラキはレストランを所有、経営するだけでなく、自らキッチンに立って寿司を作っている。その業績は驚くべきものだが、それだけではなくオラキはそうした業績を達成する最初のサウジアラビア人女性となった。

オラキは大学で勉学中、27歳の時に自由時間を有効に使うために副業プロジェクトとして「おいしい寿司」を立ち上げた。

「私は昔からお料理をするのが好きでしたし、何年もかかって得た技術を有効に使いたいと思っていました。それに、何かユニークな事をしたいとも思いました」とオラキが言う。「そんな時、母が寿司を始めたらいいと助言してくれて、私もその考えがすっかり気に入ってしまいました」

オラキは寿司の握り方、巻き方、刺身の切り方、更には魚のおろし方、骨の取り外し方もすべてユーチューブの学習ビデオを見ながら、自分で習得した。

最初のうちオラキは、リヤドで寿司が好まれるかどうか分からないので、事業を続けることができるかどうか心配した。しかし友人や家族が援助の手を差し伸べてくれて、注文をしてくれたり口コミで宣伝をしてくれたりした。オラキは、自分の事業が好調なスタートをきれたのは、そうした友人や家族の援助のお陰だと思っている。

「私は応用医学を勉強していたので、商売に関してはほとんど経験がありませんでした。ですから、最初は勿論間違いも多くしましたし、十分な利益も得られませんでした」とオラキが言う。「でも友人たちはずっと注文をし続けてくれて、私はより良い経営の仕方を学びました。とても苦労しましたが、でもそれを学び取りました」

大学卒業後、オラキは修士課程に進学したが、そこで自分が情熱を注ぐ二つのものから一つを選ばなければならない事に気がついた。何とか両方のことをやろうとすると、仕事量がきつ過ぎるようになったからだ。

「両方の事を同時にやって、クタクタになってしまったので、それ以上続けることができなくなりました」とオラキが語る。

夫と相談した後、自分でも料理をする仕事がとても好きで、事業も成功しつつあることに気がついたので、オラキは事業に専念するために大学院への進学を遅らせることにした。そしてその間に、オラキは寿司職人が自分の天職であることに気づき、それに専心する決心をした。

プロの寿司職人になるために、オラキはシンガポールにある東京すしアカデミーの講座に夫と共に参加した。そこで彼女は寿司職人の専門家からオンラインでは学ぶことの出来なかった特別な指導を受け、自分の技術に更に磨きをかけた。

オラキは自分のレパートリーを更に増やすために、ル・コルドン・ブルーロンドン校の講座にも出席した。

オラキが習得した技術は「おいしい寿司」で提供される料理の数々を見れば明らかである。そこで出される料理には、蒸した枝豆のような古典的なものから、看板料理のはん巻き、あるいは抹茶クリームブリュレなどの一風変わった料理まで含まれる。

オラキは医学を学ぶこともとても好きだったが、医学を学ぶ人生には終止符を打ち、これからはもう違う人生を送ることはないと語った。

「この道を進むと決めたことは、私の人生の中でも最も難しい決断の一つでした」とオラキが説明する。「でも後悔は全然していません。これが私がやるべき事だったと思っています」

「おいしい寿司」はAs Sahafah地区のKing Fahad Branch Roadにあり、午後4時から深夜0時まで毎日営業。インスタグラムでレストランをフォロー:@oishiisushi_sa

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