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決勝戦敗退により失意のアル・ヒラル、 勝利していた可能性に想いを馳せる

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07 May 2023 01:05:13 GMT9
07 May 2023 01:05:13 GMT9

ジョン・デューダン

6日、アル・ヒラルはこの10年間で3度目となるAFCチャンピオンズリーグ決勝戦において敗退した。

記録の上では浦和レッズが第2戦を1対0で勝利し、第1戦の引き分けと合わせてスコア2対1で勝利へと持ち込んだことになる。しかし、その結果ほどはっきりしないのは、2014年のウェスタン・シドニー・ワンダラーズ戦や、その3年後の同じ日本勢との対戦のように、優勝トロフィーを掲げたのはリヤドの巨人だったかもしれないということだ。

サウジアラビアの王者は4つの大陸タイトルを獲得しており、これは浦和の3つのトロフィーを含めた他のどのチームよりも多い。しかし、この試合はタイトル保持者にとって、もしそうであればどうなっていたかということにすぎない。

先週にホームで行われた第1戦ではアルヒラルが順調に1対0でリードしていた。もし、その試合でアルブライヒがクリアしようとしたボールがポストに当たらず、興梠にゴールの機会を与えていなかったらどうなっていただろうか。もし、先制点を挙げたアルドサリが後半になってもレッドカードを受けず、第2戦は出場停止となっていなかったらどうなっていただろうか。ラモン・ディアス監督のもと、選手たちが両試合でその驚異的なキープをもっと活かしていたらどうなっていただろうか。

第1戦を1対1の引き分けとしたことが悔しい結果であったとしたら、アルドサリが欠場し、キャプテンのアル=ファラジュが負傷したことも大きかった。フルバックのアルシャハラーニーも欠場したため、ディアス監督は経験豊富なMFアブドゥラー・オタイフ、若いFWアルハムダン、ペルー人FWカリージョを起用し、変化をもたらす必要があった。

開始4分、アル・ヒラルの選手たちはペナルティを要求され同試合初のゴールを目にすることとなる。アルハムダンと浦和のGK西川はともにボールを取りに行き、イグアロがその後ゴール前でクリアした。序盤は同じような流れが続き、アルヒラルが主催者に質問し、観客を静めた。そして開始21分、ミシャエウがペナルティエリアの端に沿ってドリブルをしかけるが、西川が横っ飛びでセーブする。

それは、アル・ヒラルがボールを保持しチャンスを作りながらも、ものにすることができず、浦和にとっても試合の流れに反して得点するまであと少しという状況であった第1戦を思い起こさせた。そして30分、まさにそれが起こりかけた。酒井が右に進入しパーフェクトなクロスボールを送ると、先週行われた第1戦で得点をあげた興梠がシュート。しかし、ボールはクロスバーをたたいて枠の外に外れた。

その後、カンノがペナルティエリア内からシュートを放ち、イグアロがゴール前に移動するが、守備陣に囲まれてシュートは打てず。そして、カリージョがゴールから遠く離れた場所で味方からのパスを受け取りシュートすると、ゴール上コーナーに軌道を描いて勢いよく飛ぶが、2人のGKのうちより忙しい活躍を見せる西川が右に飛んでセーブしゴールを守った。

アル・ヒラルは2試合連続でボール保持率70%台のままハーフタイムを迎えたものの、明確なチャンスを十分に作れていないことが懸念された。そして、前回の対戦に比べ、浦和はカウンターで脅威をあおった。

浦和は後半開始からわずか3分でソフトゴールを決めて試合をリード。フリーキックをホイブラーテンが頭でゴール前へ折り返すと、アルマユーフの手の届かないところに風がボールを運んだように見えたが、ボールはカリージョの足に当たって跳ね返り、ゴールに吸い込まれた。

この得点によりファンは大いに盛り上がりを見せ、日本チームに新たな勢いを与えた。アル・ヒラルによる猛攻が続くものの、最終的な決定機には至らない。浦和は何度も攻め込むが、残り10分を残すところでミシャエウが左サイドからクロスを送ると、浦和の守備陣をかいくぐりファーコーナーへと流れこむ。終盤となり、ボールが飛び交う中、アル・ヒラルには激しいプレッシャーがかかる。

そして、試合開始から90分後、チームに好機が訪れる。どちらの試合でも見せ場がなかったイグアロがペナルティエリアで相手を剥がし、ディフェンダー3人を逆方向に振り切ってから低めのシュートを放った。しかし、西川がゴールを許さない。浦和のディフェンスにはアル・ヒラルの攻撃に匹敵する強さがあり、最終的に違いを生み出したのはこのディフェンスと欠場した選手たちであろう。

アル・ヒラルは今、トロフィーを逃し多くの後悔を胸に帰国の途についている。しかし、彼らは過去に悔しくも決勝戦を敗退した後、トロフィーの奪還に向けて必要とするものを備えていることを示した。浦和レッズとの対戦は避けたいところだが、再度決勝へと駒を進めたいという強い想いを抱いていることだろう。

 

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