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脱マスクが徐々に進む中、「ハリウッド式」笑顔の指導を受ける日本人

川野氏の会社「笑顔育(えがおいく)」(文字通り「笑顔の教育」という意味)が提供する指導に対する需要は昨年から4倍以上に跳ね上がっている。(ロイター)
川野氏の会社「笑顔育(えがおいく)」(文字通り「笑顔の教育」という意味)が提供する指導に対する需要は昨年から4倍以上に跳ね上がっている。(ロイター)
川野氏の会社「笑顔育(えがおいく)」(文字通り「笑顔の教育」という意味)が提供する指導に対する需要は昨年から4倍以上に跳ね上がっている。(ロイター)
川野氏の会社「笑顔育(えがおいく)」(文字通り「笑顔の教育」という意味)が提供する指導に対する需要は昨年から4倍以上に跳ね上がっている。(ロイター)
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16 Jun 2023 12:06:30 GMT9
16 Jun 2023 12:06:30 GMT9

東京:川野恵子氏が東京の美術学校で最近開いた講座の一つでは、十数人以上の学生が顔の前に鏡を持ち、指で口角を上げた。笑顔の作り方を練習しているのだ。

ほとんどの人はこのような講座にお金を払おうとは思わないだろう。しかし、パンデミック中はほぼ全員がマスクを着用していた日本では、川野氏の笑顔指導に対する需要が急激に高まっている。

学校の就職活動対策コースの一環として川野氏の講座を受講した学生たちの一人であるヨシダ・ヒマワリさん(20)は、笑顔を練習する必要があったと話す。

「コロナの間は顔の筋肉をあまり使っていなかったので、良い運動になります」と彼女は言う。

川野氏の会社「笑顔育(えがおいく)」(文字通り「笑顔の教育」という意味)が提供する指導に対する需要は昨年から4倍以上に跳ね上がっている。顧客は、より親しみやすい営業担当者を求める企業から、住民福祉の向上を目指す地方自治体にまでおよぶ。1時間の1対1のレッスンの料金は7700円(55ドル)だ。

日本ではパンデミック以前から、花粉症の季節や受験の時期にマスクを着用することは多くの人にとって普通のことだった。人生における重要なイベントがある時に体調を崩すことへの心配から着用するのだ。

政府は3月にマスク着用の推奨を解除したが、多くの人はまだ日常的にマスクを外してはいない。公共放送局NHKが5月に実施した世論調査では、55%が2ヶ月前と同じくらいの頻度で着けていると回答している。常に外していると回答したのはわずか8%だった。

そんな実態を示すように、川野氏の講座を受講していた美術学校の学生のおよそ4分の1はレッスン中もマスクを着けたままだった。もしかしたら若い人たちはマスクを着けた生活に慣れてしまったのかもしれないと言う川野氏は、女性は化粧をせずに出かけやすくなるし男性は髭を剃っていない顔を隠せるというメリットがあるのではと指摘する。

元ラジオパーソナリティーで2017年に笑顔レッスンを始めた川野氏は、他の23人にも笑顔コーチとしてのトレーニングを施して、完璧な笑顔を作ることの効果と技術を日本中に広めている。

彼女のトレードマークである「ハリウッド式笑顔術」は、「三日月型の目」と「丸い頬」、そして上の歯が8本見えるように口角を上げることがポイントだ。受講者は自分のテクニックをタブレット端末上で試して自分の笑顔を採点してもらうことができる。

川野氏の考えでは、日本人は文化的に、島国で単一国家であるという安心感から欧米人ほど笑顔を見せない。そんな彼女の話を聞いて思ったのは、銃の脅威は皮肉にも笑顔を促すかもしれないということだ。

「文化的には、笑顔は『私は銃を持っていません』『あなたにとって脅威ではありません』と知らせるものです」と彼女は言い、インバウンド観光客が急増する中で日本人は目以外も使って外国人とコミュニケーションを取る必要があると付け加えた。

「笑顔の必要性がますます高まっていると思います」

ロイター

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