
日中両政府が4月上旬で調整している中国の習近平国家主席の国賓来日について、延期を検討していることが分かった。両国内で感染が広がる新型コロナウイルスへの対応を優先する必要があるとの判断がある。
複数の日本政府関係者が1日、明らかにした。両政府は週内にも結論を出す見通しだ。
習氏の来日について、安倍晋三首相は2月29日の記者会見で「現時点で予定に変更はないが、十分な成果を挙げる必要があり、引き続き日中間で緊密に意思疎通する」と説明。
延期もあり得るとの考えを示唆したとの見方が出ている。
これに関し、日本政府高官は「まだ決定ではないが、新型肺炎の行方は習氏来日に影響する」と指摘。別の政府関係者も「常識的に考えれば(4月来日は)難しい」と語った。
延期の場合、東京五輪・パラリンピック後の今秋以降で再調整されるとみられる。
日本政府はウイルス感染を防ぐため、首相が小中学校や高校などの「全国一斉休校」を要請するなど厳しい対応を迫られている。
中国でも全国人民代表大会の延期が決まるなど収束の見込みは立っていない。
習氏来日をめぐり、中国外交を統括する楊潔※(※竹カンムリに褫のツクリ)共産党政治局員が2月末に来日し、首相や茂木敏充外相、北村滋国家安全保障局長らと相次ぎ会談した。
政府関係者は「何が何でも、今春の習氏来日でなければいけないという雰囲気はなかった」と話している。
JIJI Press