
【オリンピア(ギリシャ)時事】7月24日の開幕まで4カ月余りに迫った東京五輪の聖火採火式が12日、ギリシャ・オリンピア遺跡のヘラ神殿跡で行われた。晴天に恵まれたが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて無観客という異例の措置が取られた。関係者だけが出席しての厳粛な雰囲気。祝福ムードには遠い中、古代の衣装をまとった巫女(みこ)役の女性が凹面鏡で太陽光を集めて火をおこした。
聖火リレーの第1走者は史上初めて女性が務め、2016年リオデジャネイロ五輪射撃女子25メートルピストル金メダリストのアンナ・コラカキさん(ギリシャ)が担当。その後、04年アテネ五輪女子マラソン金メダルの野口みずきさんが第2走者として引き継ぎ、トーチを掲げて約200メートル走った。
聖火を手に走る第2走者の野口みずきさん=12日、ギリシャ・オリンピア
聖火を手に走る第2走者の野口みずきさん=12日、ギリシャ・オリンピア
聖火はギリシャ国内で古代遺跡などを巡る1週間のリレーを経て、19日にアテネで大会組織委員会へ引き継がれる。20日に航空自衛隊松島基地へと運ばれ日本到着。東日本大震災で被災3県の宮城、岩手、福島を巡る「復興の火」として巡回展示後、26日に福島県のJヴィレッジから聖火リレーが始まる。全国47都道府県を約1万人がリレーでつないだ後、五輪開会式で国立競技場に到着する。
コロナウイルス問題で、ギリシャ・オリンピック委員会は採火式の招待者を大幅に減らし、食事会などのイベントは中止した。オリンピア市は式を5月に延期するよう提案したが、決定権を持つ国際オリンピック委員会(IOC)などが開催可能と判断し、予定通りの日程で実施された。
時事通信社