東京:ワリード・シアム駐日パレスチナ大使は木曜日、日本のカルト団体の信者がガザ侵攻に使われるイスラエル軍の砲弾に祈りのメッセージなどを書き込む様子を捉えた動画について、アラブ諸国やイスラム世界における日本の評判を損なっているとの見解を示した。
メッセージを書いたのは、「キリストの幕屋」という日本の新興宗教団体で、イスラエルとの強い結びつきがある。
シアム氏は一般社団法人 日本安全保障・危機管理学会が都内で開催したセミナーで講演し、「彼らが日本の意見を反映しているとは受け止めていない」と語った。「日本の人々はいつも強者ではなく弱者を支援しており、その団体が社会的に受け入れられているわけではない。それは理解している。彼らに関心を向ければ、彼らを重要なものとしてしまう」
「しかし残念なことにアラブ世界やイスラム世界では、日本についてあまり知らない人々もおり、動画が及ぼすネガティブな側面はある。ある在京のアラブ大使も述べていたが、正義を尊ぶ日本の長年のイメージが損なわれてしまったかもしれない」
シアム氏はガザの現状をスライドで示しながら、「パレスチナはこの132日間、ガザやヨルダン川西岸地区、東エルサレムへの攻撃を受けてきた。このような写真は日本では見られないだろう。子どもや女性の70%、ガザ地区の63%が完全に破壊された。それでも世界は沈黙している」と述べ、ガザでの紛争に対する日本の認識に疑問を呈した。
「パレスチナ人とイスラエル人の対立は昨年10月7日に始まったのではない。100年にわたる軍事占領の結果だ。過去75年間、国際社会は二国家解決による紛争解決をしようとしてこなかった。なぜ国際社会はパレスチナ人ではなくイスラエルを保護しているのか。私たちは被害者だ」
シアム氏はまた、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の職員がハマスによるイスラエル攻撃に関与していたという疑惑についても疑問を発した。
「誰がこのような主張を信じるのだろうか。なぜ資金拠出が停止されるのか。証拠はどこにあるのか。190万人が水、医療、医薬品、食料などの不足に苦しんでいる」
「UNRWAを解体しようとする動きがある理由は、500万人から600万人いるパレスチナ難民の帰還権をUNRWAが管理しているからだ。UNRWAはレバノン、シリア、ヨルダン、ヨルダン側西岸地区と東エルサレムに散在するパレスチナ人の生命線を支える重要な組織。その解体は、パレスチナ人がパレスチナに帰る権利を否定し、パレスチナ難民の存在そのものを否定するということだ」