• パレスチナ人が聖月を迎えるなか、市場は混雑し売上が急増

ハムザ・バロウシャ

ガザ市：ガザ地区ではラマダンの初めに多くの買い物客が食料品や家庭用品を購入しようと詰めかけ、イスラエルによる封鎖で悪化した経済状況をものともせず、市場が突然活況を呈する。

市場やその近隣では大勢の歩行者や自動車の列が見られ、食料品店や家庭用品店は買い物客であふれかえっている。

店主や経営者はラマダン月を、事業を復活させ、パレスチナ人消費者の需要を高め、長期にわたる停滞や悪化した経済状況を補償する機会とみなしている。

「ガザ地区の経済状況は何も改善していないが、ラマダン月に必要なものを購入するために多くの人が給与や他の資金の一部を貯蓄する傾向があり、購買行動が活性化している」と、ガザの商店主、ムハンマド・アブ・ジャバラ氏がアラブニュースに語った。

「特にラマダン月に関連した食材は、ラマダン月が到来する1カ月ほど前から需要が高まるため、より大量に供給できるよう努めている」

2007年半ば以来のイスラエルによる封鎖によりガザ地区の経済は悪化しており、失業率は高く、市民は国際機関の食糧援助に依存しているが、ラマダン月は地域復興の一部である経済回復のチャンスであり続けている。

ラマダンで断食する人は毎日のイフタールの食事で使用する食材に注目し、女性たちは家電販売店での家庭用品やキッチン用品の購入に関心を抱く。聖月には生肉・冷凍肉を問わずあらゆる種類の肉の売上が急増する一方で、衣料やその他の部門は減少し、イード・アル・フィトル前に復活する。

「月初めに給料を受け取ると、その半分以上をラマダン月に必要なものを購入するためにとっておいた。今月の支出は2倍以上に増える」と、家族のために買い物をしていたディア・サーディ氏（45）は語った。

「収入が限られる人でも、ラマダン月を回避して必要なものを購入しないわけにはいかない。家族や断食する人には避けることのできない要件がある」

聖月には、公共交通機関や菓子店も急激に活性化する。

「運賃収入は劇的に増加し、通常の日の3倍になる日もある。1年のほとんどの時期は苦しいが、イベント、特にラマダン月に働いて収入を得るのを待っている」と、タクシー運転手のアマル・ダバン氏（30）がアラブニュースに語った。

パレスチナ自治政府とガザのハマス政権が職員に月給を支払ったことも、支出増に貢献した。

アル・ナダ乳製品工場の責任者オスマン・アブ・アル・ナダ氏は、ラマダン前に売上が70%増加したと述べた。

エコノミストは、聖月が悪化しているパレスチナ経済が短期的に復活する機会であることに同意する。

経済ジャーナリストのハメド・ジャド氏は、アラブニュースに対して次のように述べた。「ラマダンは、食料品を販売する人にとって絶好のチャンスだ。今年は、ラマダン月が始まる1週間以上前から、活発な購買行動が明らかに認められる」

「ガザ地区経済の現実は何年にもわたり非常に厳しく、商売人の多くは、購買行動を活性化し、封鎖のために悪化した収入を増大させる、ラマダン月のような機会を待ち望んできた」