
東京:東京電力(TEPCO)は、福島第一原子力発電所の周辺海域から採取した水のトリチウム濃度のサンプルが、運用上の上限である1リットルあたり1,500ベクレル未満であることを確認したと発表した。
「2023年8月24日に開始された最初の排水以降、排水口近辺(発電所から3km以内)および排水口外(発電所前の10平方キロメートル以内)で採取された水のトリチウム濃度の測定結果は、すべて指標以下だった」
「排水開始後の海域監視で測定されたトリチウム濃度は、日本全国で実施された過去の海水監視による変動範囲内に収まっている」
将来的には、排出されるALPS処理水中のトリチウム濃度の影響を受け、海水中のトリチウム濃度が過去に観測されたものを超える可能性があるとTEPCOは述べているが、これらの変動は予測されたレベル内であり、調査レベル未満であるとしている。
5号機取水口前の海底土壌の監視結果にも大きな変動は見られなかったが、「2023年1月以降に高い数値を示したものの、シルト除去作業の完了後にこれらの数値が減少したことを確認した」と同社は付け加えた。
測定・確認タンク内のALPS処理水の分析では、排出要件を満たしているとTEPCOは述べている。TEPCOが委託した外部機関(化研)および日本政府が委託した第三者機関(JAEA)からも同様の結果を得た。
TEPCOは、損傷したプラントを検査するために伸縮装置のテストも行っており、原子炉建屋内にこの装置を設置する準備を進める。TEPCOは、2024年8月から10月の間に燃料デブリの試験回収を開始する予定である。