
東京:コロナウイルスを封じ込めるために、日本政府が東京と6つの府県で緊急事態を発令するまで、火曜日、残り数時間となる中、首都から離れる「東京脱出」というアイデアがSNS上で渦巻いている。
日本の流行は海外の一部の国々と比較すれば小規模な状態が続いているが、東京の感染者数が、他の都市部の感染者数と同様に着実に伸び、1,000人(全国の合計数のおよそ4分の1)を超えていることに対する警戒感が緊急事態宣言を後押しすることになっている。同宣言は5月6日まで続き、国民に対して自宅に留まるように呼び掛け、企業に閉鎖を要請することなる。
地元メディアによると、おしゃれな週末の静養地として長く知られてきた山間部の軽井沢では、首都圏のナンバープレートを付けた車が既に増えており、東京都知事が人々に対して自宅に留まるよう求めた2度の週末には特に増加した。
当局者らは、首都から離れる動きに警鐘を鳴らし、既にひっ迫している地域医療システムに負担を与えかねないとしている。
「これは、(ウイルスを)あちこちに拡散させることに他なりません」と、政府のコロナウイルス専門家委員会の委員の岡部信彦が火曜日、記者団らに語った。「国民には不便には耐えていただくようお願いします。慌てて首都から離れるべきではありません」。
日本の47あるうちの複数の都道府県で、このような事例が複数報告されている。そのうちの1つ、東北の岩手県は先週、東京や周辺の県から来た人に対して、2週間自主隔離を行うよう求めた。
「東京脱出」というハッシュタグは、東京やその他の大都市の人々にその場に留まるよう求めるコメントを投稿する人が大半を占める中、火曜日、ツイッターのトレンドの上位トピックの1つになった。
「皆さんの気持ちは理解できますが、自粛をおこなってください」と、中部の広大な田舎の山梨県の「Hayato」が書いた。「最悪の場合、みなさんの行動が、場合によっては数百人の死者を生むことにつながる可能性があります」。
高齢者人口の割合が高い田舎の地方では、状況は簡単に危機的状態になり得ると警鐘を鳴らす他の人もいる。小規模な町では、感染源になりそうだと思われた家族がいじめの標的になり得るとコメントする人もいる。
「病院、医師、看護師は多くの地方では貴重なリソースです」と、「オーバー50の妻」というハンドルネームの利用者が書いた。「誰にでも好きに生きる自由はありますが、今回のような場合には、我々は皆協力しなければなりません」。
ロイター通信