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パリより愛をこめて:ロダンの『考える人』がルーヴル・アブダビに

ロダンの『考える人』は、ルーヴル・アブダビで展示される。この有名な彫像は、フランスのロダン美術館からの1年間借りているものだ。(AP写真)
ロダンの『考える人』は、ルーヴル・アブダビで展示される。この有名な彫像は、フランスのロダン美術館からの1年間借りているものだ。(AP写真)
30 Oct 2019 09:10:56 GMT9

アブダビ

  • パリのロダン美術館から1年間貸し出されたこのブロンズ像は、1881年から1882年の間にオーギュスト・ロダンにより制作されたオリジナル鋳造品の1つだ。
  • アラブ首長国連邦は、今後30年間にわたる「ルーヴル」の名前の使用料としてフランスに5億2500万ドルを支払うことと、300の貸出作品を監督するフランスのマネージャーを雇うためにさらに7億5000万ドルを支払うことに同意した

頭を下げ、顎を片方の手の上に置き、しかめっ面をし、唇を押し付けた、おそらく史上最も有名な彫刻の1つ『考える人』は、ルーヴル・アブダビに新しい家を見つけた。

パリのロダン美術館から1年間貸し出されたこのブロンズ像は、1881年から1882年の間にオーギュスト・ロダンにより制作されたオリジナル鋳造品の1つだ。

「彫像自体が雄大で、非常にパワフルです」と、アラブ首長国連邦の首都にあるこの美術館でコレクションを担当するSouraya Noujaimは語った。「ロダンは最も象徴的で最も普遍的なアーティストの一人であるため、ルーヴル・アブダビにどうしても必要だったのです」

ルーヴル・アブダビは『考える人』を現代の人間の条件を熟考しているように見せたかったとNoujaimは語った。

「ロダンはアカデミックな流派から実際に自由になった最初のアーティストの一人でした。そのため、近代性の誕生に取り組むこのギャラリーに彼の作品が展示されているのです」と彼女は語った。

ロダンの作品は、彼が生きた時代に大いに物議を醸した。彼は、古典的なヨーロッパの芸術の理想主義と引き換えに、より自然な体の動き、そしてしばしば苦悶する人物像を提供した。

『考える人』は、ルーヴル・アブダビが所蔵するロダンの作品の1つであり、貸出中のものもあれば常設コレクションの一部もある。

「私たちは、美術館が協力し合う新しい道筋を開いたのだと思います」とNoujaimは語った。

フランスの建築家ジャン・ヌーヴェルによって設計された、アラビア風の幾何学模様を特徴とするハニカム構造ドームを持つこの美術館は、東洋と西洋との間の懸け橋になることを目的としている。ギャラリーには、仏教、キリスト教、イスラム教、ユダヤ教の作品が並べて展示されており、普遍的な共有価値が強調されている。

この美術館は2017年11月にオープンし、アメリカの建築家フランク・ゲーリー氏が手掛けるグッゲンハイム美術館を含む、サディヤット島にオープンが予定されているいくつかの巨大プロジェクトの最初を飾った。

この美術館を建設するのにどれくらいの費用がかかるかは明らかにされていないが、アラブ首長国連邦は、今後30年と6ヵ月間の「ルーヴル」の名前の使用料としてフランスに5億2500万ドルを支払うことと、300の貸出作品を監督するフランスのマネージャーを雇うためにさらに7億5000万ドルを支払うことに同意した。パリのルーヴル美術館センターには、故ザーイド・ビン=スルターン・アール=ナヒヤーンUAE大統領の名前が付けられたが、これも合意の一部として含まれていたものだった。

このコレクションには、約900年の歴史を誇る史上最古のコーランの1つや、ポール・ゴーギャンやパブロ・ピカソによるモダニズムの作品など、考古学の不思議が含まれている。

もともとの題名は『詩人』であった『考える人』は、ダンテの『神曲』の地獄編の1シーンを表現したロダンのより大きな作品『地獄の門』の一部であった。

AP

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