
オスロ:今年のノーベル平和賞は、広島と長崎への原爆投下から80年を経て、再び脅威となりつつある原爆に反対する日本の被爆者団体「日本被団協」に贈られる。
日本被団協の3人の共同代表は、午後1時(日本時間1200日)からオスロ市庁舎で行われる授賞式で名誉ある賞を受け取る。
「核兵器と人類は共存できない」と、3人の共同議長の一人である田中煕巳氏はノルウェーの首都で月曜日に記者会見で語った。
「気候変動が壊滅的な影響をもたらす前に、人類は終焉を迎えるかもしれない」
日本被団協は、「被爆者」として知られる広島と長崎の被爆者の証言をもとに、地球上から大量破壊兵器をなくすために精力的に活動している。
1945年8月6日、米国が日本の都市上空で原子爆弾を爆発させ、広島では約14万人が死亡した。
さらにその3日後、長崎でも米国の核爆弾によって7万4千人が死亡した。
被爆者は放射線病や、がんのリスク上昇など長期的な影響に苦しんだ。
史上唯一核兵器が使用されたこの原爆投下は、大日本帝国とそのアジア全域にわたる残虐な暴挙への最後の一撃となった。日本は1945年8月15日に降伏した。
長崎に原爆が投下され、家族5人が亡くなったとき、田中氏は13歳だった。
月曜日、彼は核の脅威の復活に警鐘を鳴らし、ロシアのプーチン大統領に対し、ウクライナ戦争に勝つために核の脅威を振りかざすのをやめるよう促した。
「プーチン大統領は、核兵器が人間にとって何なのかを本当に理解しているとは思えない」
プーチン大統領は、2022年2月にロシアが本格的にウクライナに侵攻した直後から、核兵器による威嚇を始めた。彼は11月下旬、原子兵器の使用基準を引き下げる法令に署名した。
ロシアは世界最大の核兵器保有国である。
11月21日、モスクワは新型の極超音速ミサイル「オレシュニク」をウクライナの都市ドニプロに発射し、約3年にわたる戦争をエスカレートさせた。
このミサイルは核弾頭を搭載できるように設計されているが、今回は搭載されなかった。
ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は木曜日、モスクワは自国を防衛するために「いかなる手段」も用いる用意があると述べた。
ノルウェーのノーベル委員会のヨルゲン・ワトネ・フライドネス委員長は月曜日、「核兵器のタブーを守り、核兵器が道徳的に容認できないものであるという汚名を着せることは、人類にとって極めて重要だ」と述べた。
「核兵器で脅すことは、タブーの重要性を低下させるひとつの方法であり、やってはならないことだ」
「そしてもちろん、それを使うことは、地球上のどの国にとっても、二度とあってはならないことだ」
弾道ミサイルの発射実験を増やしている北朝鮮や、否定はしているものの核兵器開発の疑いがあるイランも、西側諸国にとって脅威となっている。
現在、9カ国が核兵器を保有している: イギリス、中国、フランス、インド、北朝鮮、パキスタン、ロシア、アメリカ、そして非公式ながらイスラエルである。
2017年、122カ国の政府が交渉し、歴史的な国連核兵器禁止条約(TPNW)が採択されたが、核保有国が署名していないため、この文書はほとんど象徴的なものとみなされている。
その他の分野(医学、物理学、化学、文学、経済学)の今年のノーベル賞は、ストックホルムで開催される別の授賞式で授与される。
AFP