
西村康稔経済再生担当相は24日の記者会見で、新型コロナウイルス対策の専門家会議を廃止し、代わって「新型コロナウイルス感染症対策分科会」を新たに設置する方針を明らかにした。分科会は、改正新型インフルエンザ対策特別措置法に基づく有識者会議の下部組織として位置付け、感染症専門家のほか、地方自治体の代表や危機管理対応の専門家らの参加も求める。
専門家会議の廃止は、同会議のメンバーが24日、「(助言組織と)政府との関係性を明確にする必要がある」とした提案書をまとめたことを受けた措置。分科会は、7月上旬にも初会合を開く。
西村氏は会見で、専門家会議廃止の理由について、「会議が法律に基づくものでなく、位置付けが不安定だった」と説明。今後はワクチン接種の優先順位なども課題になると指摘し、「感染症の専門家だけでは決められない事柄も出てくる」と語った。
専門家会議はこれまで、新型コロナウイルスへの対応で「人との接触の8割削減」や、緊急事態宣言の解除目安などを提言してきた。ただ、会議に法的な裏付けはなく、内部からも「まるでわれわれにコロナ対応の全責任があるように言われている」と戸惑いの声が出ていた。
JIJI Press