
政府・自民党は1日、臨時国会を26日に召集する方向で調整に入った。菅義偉首相の初外遊となる今月中旬の東南アジア歴訪を優先した。首相の所信表明演説が帰国後の26日となれば、就任から40日後となり異例。野党は国会軽視と反発している。
自民党の森山裕国対委員長は1日、二階俊博幹事長に党本部で会い、26日召集案を伝達。党幹部は「26日召集しかない」と語った。
森山氏は前日の立憲民主党の安住淳国対委員長との会談で23日に召集する方向だと伝えていた。しかし、会談後に首相官邸から「首相外遊が固まった。召集日は26日にしてほしい」と再考を迫られ、わずかの間で方針転換した。
安住氏は森山氏との会談で、23日召集案について「所信表明演説の後に外遊するのがオーソドックス。逆にならないようにすべきだ」と苦言を呈していた。安住氏は1日、記者団に「召集日をずらせば、国会軽視、国民軽視だ」と批判した。
2000年以降の首相交代を振り返ると、政権交代を伴った鳩山由紀夫、安倍晋三両氏の就任時を除けば、初の所信表明演説より前に外遊したのは国連総会に出席した麻生太郎氏の1例のみ。また、政権交代時の2例を除くいずれの政権も、就任から11日以内に初の所信表明演説を行っている。
立憲以外の野党も反発を強める。国民民主党の玉木雄一郎代表は「新しい内閣ができた以上、早く国会に方針を説明する責任がある。外交方針を示してから外国に行くのが筋だ」と強調。社民党の福島瑞穂党首は「国会をまず開くべきだ」と語った。
JIJI Press