
東京五輪・パラリンピック組織委員会は22日、五輪の開閉会式でディレクターを務める元お笑い芸人の小林賢太郎氏を解任したと発表した。過去の反ユダヤ的発言を問題視した。
小林氏はラーメンズとして活動していた際のコントで、ナチス・ドイツによるホロコースト(ユダヤ人大虐殺)を揶揄する動画がインターネット上に拡散され、批判が高まっていた。
米国の反ユダヤ活動監視団体サイモン・ウィーゼンタール・センター(SWC)が非難する声明を発表。SWCのエイブラハム・クーパー氏は「この人物が五輪に関わることは、(ホロコーストで犠牲になったとされる)600万人のユダヤ人の記憶を侮辱し、パラリンピックを残酷にあざけることになる」と強弁した。
組織委は「自身の公演で過去に歴史上の痛ましい事実を揶揄するせりふを使用していたことが分かった。開会式が目前に迫る中、このような事態となり深くおわび申し上げる」とコメント。記者会見した組織委の橋本聖子会長は「あすの開会式をどのように行うか検討中。早急に結論を出したい」と述べた。
東京大会の式典をめぐっては、クリエーティブディレクターの佐々木宏氏が出演候補者の容姿を侮辱する演出案を出したことを批判されて3月に辞任。さらに、開会式の楽曲制作担当だったミュージシャンの小山田圭吾氏が過去のいじめ行為告白を批判されて今月19日に辞任した。
会見で自身の去就について問われた橋本会長は「私としては、やり通さなくてはいけないと思う」と語り、辞任を否定した。
時事通信