
東京: 日本の菅義偉首相は15日、数人の閣僚が物議を醸す神社を参拝する中、第二次世界大戦の終戦記念日の追悼式で、戦争の惨禍を二度と繰り返さないと誓った。
終戦から80年近く経った今でも、日本とその近隣諸国との間の対立は続いており、とりわけ中国、北朝鮮、韓国と日本との間の緊張の源となっている。 「わが国は、戦後一貫して、平和を重んじる国として歩んでまいりました」と菅氏は東京で行われた追悼式での式辞で述べた。 「戦争の惨禍を、二度と繰り返さない、この信念をこれからも貫いてまいります」。
菅首相の式辞は、昨年の追悼式の安倍晋三前首相のものとほとんど変わらず、戦時中の日本の過去に対し、前年に続き「深い反省」を表明した今上天皇の言葉を繰り返した。
それでも、15日に菅内閣の閣僚と安倍前首相が、物議を醸している靖国神社への参拝をしたことは、中国や韓国、北朝鮮を怒らせる可能性があった。長引く雨やこのところの新型コロナ感染者数の急増にもかかわらず、靖国神社へは、子供連れの家族や軍服姿の人々を始め、早朝からひっきりなしに参拝客が詰めかけた。
小泉進次郎環境相と萩生田文部科学相は二人とも参拝した。 産経新聞によると、菅首相は秘書を通じて供物を捧げたものの、参拝する予定はないという。
靖国神社は、「A級」戦犯として有罪判決を受けた14人の第二次世界大戦の主導者を含む戦没者を祀っており、緊張の火種となっている。
朝鮮半島では、1910年から1945年までの日本の統治を巡り、いまだぎくしゃくしており、中国は1931年から1945年における中国大陸への日本の残虐な侵略について苦い記憶を持っている。
韓国の文在寅大統領は、文政権は二国間を緊張関係をもたらす歴史問題に解決策を見出す一方で、協力関係を強化するための対話の扉は常に開けてあると述べた。
萩生田文部科学大臣は記者団に対し、「例年と同様、先の大戦で尊い犠牲となられた先人のみ霊に、謹んで哀悼の誠をささげ、改めて恒久平和への誓いをしてきた」と述べた。
また、記者団が、現職閣僚の参拝に、中国や韓国が反発を強めていることへ質問したのに対して、萩生田大臣は「自国のために尊い犠牲となられた先人の皆さんに、尊崇の念を持ってお参りするのが自然な姿だと思うので、ご理解いただけると思う」と述べた。
安倍氏は、2013年に首相として靖国神社を参拝し、中国と韓国政府から激しい反発を招き、米国からは「失望」の表明がなされた。 安倍氏は首相としての参拝はその後しなかったが、代わりに供物を捧げた。
15日の参拝後、現職の国会議員である前首相は記者団に、戦没者の英霊に尊崇の念を表したと語った。
ロイター