ホワイトハウスは20日金曜日、ジョー・バイデン大統領が、バラク・オバマ前大統領の首席補佐官およびシカゴ市長を歴任したラーム・エマニュエル氏を駐日米国大使に指名する予定であると発表した。

ホワイトハウスの当局者はエマニュエル氏の経験と長年の公務を称讃した。ホワイトハウスは、ベテラン外交官のニコラス・バーンズ氏を駐中国米国大使として選出したことを明らかにした同じ日にエマニュエル氏の指名を発表した。この指名は、シカゴ市長時代の同氏の業績が原因で、民主党員および黒人人権活動家たちの一部から怒りを買う可能性がある。

エマニュエル氏は、この役職に選ばれたことを光栄に思うと語った。

同氏は声明のなかで「日米同盟は自由で開かれたインド太平洋における平和と繁栄の礎である」と述べた。

下院議長のナンシー・ペロシ氏はこの発表を歓迎し、エマニュエル氏の「粘り強さと成功の実績」が、米国にとって非常に重要な同盟を深め、地域的安全保障を促進するための働きに役立つだろうと述べた。

一部の批評家は、米国で3番目に大きな都市の市長であったときの人種問題の対応においてエマニュエル氏（61歳）を非難した。
2014年にシカゴで、黒人の10代の若者だったラカン・マクドナルドさんの射殺を隠蔽したとして、2019年に4人のシカゴ警察官が解雇された。この事件は人種間の緊張を煽り、エマニュエル氏の辞任を求める批判の声が高まった。

6月に、同氏が大使に指名されるだろうという予想が最初に表面化したとき、シカゴの警察による暴力事件の被害者たちとその家族は声明を出し、その中でバイデン氏の計画を「許しがたい」と述べた。

以前にエマニュエル氏の米国運輸長官への起用が検討されていたとき、民主党の下院議員ジャマール・ボウマン氏は「ラーム・エマニュエルが公職に就きながら我々がアメリカの魂を取り戻すことはできない」と題したコラムを書いた。

エマニュエル氏は1992年にビル・クリントン氏の大統領選挙で財政委員会を率い、後に政策および戦略を担当するクリントン元大統領の上級補佐官を務めた。同氏はシカゴ市長として選挙に立候補するために辞任する前、1年以上オバマ氏の首席補佐官を務めた。

ホワイトハウスは、2012年のNATO首脳会議を主催し、6年連続で外国直接投資を呼び込むにあたり国を主導した、シカゴ活性化におけるエマニュエル氏の功績を強調した。

匿名を条件として話すホワイトハウスの関係者は、エマニュエル氏が上院の承認を勝ち取るだろうと表明した。同氏は、バイデン氏の仲間の民主党員によって厳しく管理されている上院の公聴会と承認投票を待つ、指名した大使たちの長いリストに加わる。

ホワイトハウスは、バイデン氏が指名した300人近くの要職候補の承認が遅いことに不満を募らせている。上院議員のテッド・クルーズ氏や他の共和党上院議員が様々な問題に対する不満の表明として多くの指名を留保している。

一部の共和党員は同じ政治献金者を共有するエマニュエル氏を支持するかもしれないが、同氏の指名は「人種的正義における不十分な実績および党内の進歩派を弱体化させる過去の取り組み」を考えると、一部の民主党員の怒りを買う可能性があるとthe Revolving Door Project支援団体のディレクターであるジェフ・ハウザー氏は語った。

エマニュエル氏はまた、同氏にあまり好意的でない上院議員のバーニー・サンダース氏を味方にする必要があるかもしれない。2016年に、民主党大統領候補としてバイデン氏と対決していたとき、サンダース上院議員はツイッターに次のように書いた。「私を支持しなかったことでラーム・エマニュエル氏に感謝したい。学校を閉鎖し、教師を解雇する市長からの支持などいらない。」

ロイター