
東京
香港で日曜日に行われた区議会議員選挙で民主派陣営が圧勝したことを受けて、来年春に予定されている中国の習近平国家主席の日本への公式訪問に暗雲が垂れ込めている。
日本政府内からは、香港で民主化運動が勢いを増すと予想されている中、現在展開中の状況が来日予定にいかに影響を及ぼすかを心配する声が上がっている。
中国政府が香港での抗議活動を鎮圧するために力に頼った対応を取った場合、習主席が日本を公式訪問すれば、日本に向けても中国の行為を見逃しているとする批判が国際社会から出てくることになる可能性がある。
「私たちは香港での最近の事態について深く懸念しています」と菅義偉官房長官は火曜日記者会見で述べた。「習主席の来日が来年春に迫る中、言わなければならないことを言い続けるつもりです」
安倍晋三総理大臣も、中国による弾圧の可能性を警戒し、中国の王毅外務大臣に対して月曜日、「自由で開かれた香港が『一国二制度』のもとで繁栄を続けることが重要です」と警告した。
選挙では、民衆からの支援の波に乗った民主派が全議席の80%以上を獲得した。抗議活動参加者は民主化を求めて香港政府にさらに圧力をかけていくと見られているが、中国政府がその要求を受け入れる可能性は低い。
日本政府はこの問題への干渉を避けたい考えだ。政府の情報筋によると、「それは中国への内政干渉になります」とのことだ。
しかし、この姿勢に対しては与党からも野党からも批判が出ている。
自由民主党所属議員の山田宏前防衛政務官は政府に対し、習主席の公式訪問や今上天皇徳仁陛下への謁見の計画を見直すよう求めた。
「香港を含む中国での人権状況に国際社会から大きな懸念が出ている中、どうして習主席は公式に招待されているのでしょうか」と山田議員は火曜日に衆議院の委員会で問いかけた。
野党の日本共産党の高官も、「公式訪問が予定されているからということで声を上げないのは間違っています」と語り政府を批判した。
日本は、1989年に北京の天安門広場で軍隊による厳しい弾圧で流血の事態となったことを受けて西洋諸国から中国に経済制裁が科されていた1992年に平成天皇明仁陛下が中国を訪問されたことで、未だ批判を受けている。天皇陛下による中国のご訪問を中国がうまく利用して国際社会からの孤立状態を終わらせたとの批判だ。
日本は、西洋やその他の国々での世論の変化を注視しながらアジアの近隣諸国との関係改善を続けるとの政策を変更していない。
外務省の高官は、「習主席が来日できなくなる可能性もゼロではありません」と述べ、香港で深まる混乱に懸念を表明した。
[時事通信社]