
日本の次期総理大臣を決める選挙戦が金曜日にスタートし、4人の候補者が与党のリーダーとして異例の接戦を繰り広げる。
候補者の中には、これまで女性の首相が誕生したことのない日本を率いることを望んでいる2人の女性も含まれているが、いずれも難しい戦いになると予想されている。
菅 義偉首相が先月、自民党総裁選に出馬しないという衝撃的な発表をしたことを受けて、このレースは行われている。
9月29日の投票で自民党が選んだ人物が首相となり、11月下旬までに行われる総選挙に臨むことになる。
自民党が政権を維持すると予想されることから、その党首は今後、この世界第3位の経済大国を率いる人物となる可能性が高く、中国への対応や気候変動への取り組みなどの課題に直面することになる。
世論調査では、率直な現ワクチン担当大臣河野太郎氏が次期党首の座を獲得すると予想されているが、自民党の主要派閥のほとんどが候補者を擁立していないため、結果は明確ではない。
アメリカ進歩センター(CAP)のトビアス・ハリスアジア上級研究員はAFPに対し「このレースでは、各派閥が公式には誰も支持していないため一種の自由競争になっています」と述べた。
「本当に予測が難しい選挙戦です」
河野氏の主な競争相手は、自民党の大規模な派閥を率いる元外務大臣の岸田文雄氏と予想されている。
他の2人の候補者は、日本初の女性リーダーになることを目指しているが、分裂傾向にある右派の高市早苗氏と元男女共同参画担当大臣の野田聖子氏は、いずれも可能性は低いと考えられている。
9月29日の投票は、必要に応じて2回に分けて行われ、383名の議員と同数の一般党員が第1回目の投票を行う。
しかし、今回の接戦では、ある候補者が過半数を確保する可能性は低いと思われる。その場合、上位2名は、383名の国会議員と47地域の各党代表1名による第2回投票に進む。
これまでは主に派閥単位で投票していた総裁選であるが、今回は議員の自由裁量に委ねられていることから、例年になく予測が難しい選挙戦となっている。
ハリス氏は「内部の人間が最終的に勝敗を左右することになります」と述べ、河野氏の人気が高いことから「おそらく優位に立っていますが、もしリードしているとしても、それは非常に脆弱なものでしょう」と付け加えた。
選挙戦は、政府のパンデミック対応などで支持率が低下した菅氏が就任1年で辞任を表明したことで、大きく動き出した。
菅氏は、日本で最も長く務めた安倍晋三首相が健康上の理由で辞任した後、2020年9月に就任。
菅氏の任期中は、終わりの見えない新型コロナウイルス感染症の悪化や度重なる緊急事態宣言の影響を受けており、東京オリンピックでも人気を上げることができなかった。
菅総理の短い任期は、安倍総理が2012年に2期目を始める前に見られた「回転ドア」のようなリーダーの交代劇に戻る前兆ではないかとの声も聞かれている。
第二次世界大戦以降、5年以上首相の座にとどまった政治家は5人しかいない。
AFP