
立憲民主党など主要野党は27日、首相主催の「桜を見る会」追及本部の会合を国会内で開き、反社会的勢力とみられる人物が参加していた問題について警察庁や内閣府の担当者らからヒアリングを行った。「反社」を排除できていなかったことを問題視しており、菅義偉官房長官をターゲットに批判を強めた。
野党側の説明によると、内閣府は反社会的勢力が参加した疑いについて21日の立憲議員の国会質問で把握。だが、それ以降警察庁と対応を協議せず、どのような経緯で出席したのか調べることにも消極的な姿勢を示した。警察庁の担当者は、内閣府から事前の照会がなく「個別の参加者を把握できていない」と語った。
2015年の桜を見る会の際、特定商取引法違反容疑で家宅捜索を受けた「ジャパンライフ」の当時の会長に招待状を送っていた問題も取り上げられた。野党側はこの招待状に記された「60」という区分番号は安倍晋三首相の招待枠ではないかとただしたが、政府側は「区分資料は廃棄している」と明言を避けた。
反社会的勢力をめぐっては吉本興業の所属芸人が事務所を通さず会合に参加して報酬を得たことが社会問題になるなどし、その排除が課題となっている。野党は桜を見る会と「闇の世界」(追及本部の黒岩宇洋事務局長)の接点が出てきたとして、首相による「えこひいき」にとどまらない問題だと位置付ける。
主要野党は27日の国対委員長会談で、招待者名簿取りまとめの責任者である菅氏の「進退に関わる問題」との認識で一致。立憲の安住淳国対委員長は「反社会的勢力や半グレが税金を使った公の行事に案内状をもらって出席し、飲んで食べて(菅氏らと)一緒に写真を撮っている姿がブログに掲載された」と記者団に強調した。
安住氏はこの後、自民党の森山裕国対委員長と会い、出席の経緯の調査や名簿の復元を要求。森山氏は検討する意向を示すにとどめた。
政府・与党は桜を見る会をめぐる問題を早期に幕引きしたい意向。菅氏は記者会見で「反社会的勢力の定義は定まっていない」と語った。
Jiji Press