
林芳正外相は18日、中国の王毅国務委員兼外相と、就任後初めて電話会談を行った。林氏は中国公船の領海侵入が相次ぐ沖縄県・尖閣諸島をめぐる問題や東・南シナ海の情勢、香港や新疆ウイグル自治区の人権問題を取り上げ、「深刻な懸念」を表明。台湾海峡の平和と安定の重要性も指摘した。日本側によると、王氏は従来の主張を繰り返した。
林氏は対話や協議を重視する姿勢を強調。2022年に日中国交正常化50周年を迎えることに触れ、「建設的で安定的な日中関係」の構築を呼び掛け、王氏も賛意を示した。延期となっている習近平国家主席の国賓来日は話題に上らなかったという。
林氏は、北朝鮮による拉致問題の即時解決に向けた理解と支持を求め、両外相は緊密に連携していくことを確認。気候変動問題や北朝鮮を含む国際情勢についても意見交換した。
これに先立ち、林氏はフランスのルドリアン外相とも電話会談。インド太平洋地域での連携強化で一致した。
時事通信