
日本政府は17日、コロナウィルスの感染拡大を防ぐために設けられた水際対策の緩和を発表することになった。日本の水際対策は富裕国の中でも最も厳しく、経済界や教育関係者から強い批判を受けてきた。
これまで約15万人の留学生や技能実習生の入国が阻まれてきた。人口が減少する高齢化の進んだ日本では、技能実習生が切実に求められており、労働不足や日本の国際的評判の低下に対する懸念も起きている。
日本の水際対策は、2年間にわたって非居住外国人に対して事実上国境を閉ざしてきたが、2021年の後半に一時緩和されたことがあった。しかしその数週間後に海外でオミクロン株が出現したことを受けて、再び強化された。
発表される緩和措置の1つとして、1日当たりの入国者数の上限が、現在の3500人から5000人に引き上げられると、メディアが報じた。
その他の措置として、入国前に滞在した国の感染状況、3回目を含むワクチンの完全接種など一定の条件を満たす場合に、自主待機期間が現在の1週間から3日間に短縮される措置も含まれるものと思われる。
「感染リスクが高い」と指定された82か国からの入国者は、その大勢が1週間の隔離期間のうち3日間または6日間を政府指定施設で隔離する必要がある。隔離期間は1月半ばまでは2週間だった。
新しい措置は17日、岸田文雄首相の記者会見で発表されることになっている。メディアの報道によると、水際対策は3月から段階的に緩和される見通しだ。
オミクロン株が世界で蔓延している間、岸田首相と政府は、厳しい水際対策が流行を遅らせる時間稼ぎとして必要な措置だと認め、国民の大多数がこれを支持している。
しかし、国内で既にオミクロン株が蔓延し、3回目のワクチン接種が難航している中、経済界や政治家の中からも、この対策はもはや効果がないとの声が上がっている。
7月に重要な選挙を控えている岸田首相にとって、いつ、どうのように水際対策の変更を決定するのかは、微妙な問題であると、政治アナリストの伊藤惇夫氏が語る。
「現在の全体的状況を見れば、水際対策など意味がないでしょう。どこでもウィルスに感染できるのですから。でも、水際対策のお陰で首相は大きな国民の支持を受けています」と伊藤氏が述べた。この対策がこのまま続いたら、「長期的には、日本は世界から取り残されることになるでしょう」と、氏が続けた。
しかし、ソーシャルメディアでの反応は痛烈な批判が圧倒的だった。多くの人が、国内で広く新型コロナ対策のまん延防止等重点措置が取られている中で、水際対策が緩和される理由に疑問を呈し、岸田首相は単に批判に屈したという人もいる。
「岸田首相の政府は自分で何をやりたいのか分かっていないので、単純に一番声高な批判に従うだけだ」と、「Recklesschamp27」が投稿した。
ロイター通信