
政府は5日午前、物価高騰に対応するための「総合緊急対策」を協議する関係閣僚会議の初会合を首相官邸で開いた。議長を務める岸田文雄首相は席上、「直面する危機に緊急かつ機動的に対応する」と表明。ロシアのウクライナ侵攻を受け、原油や穀物など幅広い品目の値上がりに拍車が掛かっており、4月末までの取りまとめに向けて検討作業を本格化させる。
緊急対策は(1)原油高対策(2)資源・食料安定供給(3)中小企業支援(4)生活困窮者支援―の4本柱。首相は「原油や原材料、食料価格の高騰が国民生活や経済活動に重大な影響を及ぼし、コロナ禍からの経済社会活動の順調な回復を妨げることを避けなければならない」と強調した。財源は2022年度予算に計上した一般予備費と新型コロナウイルス対策予備費の計5兆5000億円から充当する。
金子原二郎農林水産相は同日の閣議後記者会見で、農林水産業や食品産業への支援について「燃油や化学肥料原料、穀物の高騰や、輸入木材や輸入水産物の調達への懸念にしっかり対応していく」と述べた。
公明党からは緊急対策のため今国会中の22年度補正予算案の編成と成立を求める声が出ている。山際大志郎経済財政担当相は会見で、「まずは緊急で必要なものを洗い出して、機動的に時宜を逸せずに対策を打たないといけない」として、予備費を活用した迅速な対応を優先する考えを示した。
時事通信