
新型コロナウイルス対策を助言する厚生労働省の専門家組織「アドバイザリーボード」が19日開かれ、屋外でのマスク着用について専門家有志らが、「周囲で会話が少ない場合は必要ない」とする提言を示した。一時的に推奨している2歳以上の未就学児の着用も見直すよう求めた。
座長の脇田隆字・国立感染症研究所長は会合後の記者会見で、提言について「委員から合意を得られた」と述べた。これを受け、政府はマスク着用基準の明確化を進める。
提言は、オミクロン株の感染力が高いことなどを理由に「マスク着用を含めた基本的な感染対策は重要だ」と改めて強調した。その上で、周囲と距離が取れる屋外ではマスクを外すよう推奨。周囲との距離が近くても、会話が少ない状況ならマスクは不要との見解を示した。
マスク不要の屋外活動として、公園での散歩やランニング、自転車や徒歩移動などを例示。公共交通機関を利用したり屋外で会話をしたりする場合は、引き続きマスクを持参し、着用するよう求めた。
2歳以上の未就学児は、保育園などの対応として2月に定めた「可能な範囲で一時的に勧める」を、それまでの「一律には求めない」に戻す検討が必要だと指摘。小学校などでも、熱中症リスクのある登下校時や屋外活動では、会話を控えるなどすれば不要とした。
小児のマスク着用をめぐっては専門家の間で、表情を読み取りづらくなるなど発達への影響を懸念する声が出ていた。脇田氏は未就学児の見直しについて、「オミクロン株の特徴も判明しつつあり、会合では(着用の)弊害も考えなければならないとの意見も出た」と説明した。
時事通信