
Daniel Fountain、ロンドン
日本から逃亡したカルロス・ゴーンは、財政上の不正行為のかどで裁判を受けるため日本で自宅監禁状態にあったが、元米陸軍特殊部隊員の助けを借りて音響機器用に使われる大型のケース内に潜みながら逃亡したと報道されている。
ウォール・ストリート・ジャーナルからインタビューされた当調査に詳しい関係筋によると、元グリーンベレー隊員Michael Taylor、George Antoine Zayek、そしてトルコの航空会社MNG Jet Havacilikの一従業員がゴーンの日本脱出を手助けしたという。
その報道によると、ゴーン救出作戦は2019年12月28日に開始され、Taylorと Zayekがグローバルエクスプレスのジェット機に乗り込んで、そこへ2つの大きな黒いケースが積み込まれたという。同ジェット機は翌12月29日に大阪国際空港に着陸、同日ゴーンが一人で東京の自宅を出る様子が監視カメラに映っていた。
MNG Jet は、調査の結果自社の一従業員がこの脱出計画に関与していたことが発覚し、金曜日に刑事告訴を提出したと発表している。その従業員は記録を偽造してゴーンの名前は一切削除し、音響機器のケースを積み込んだとされている。
ゴーンを自宅から連れ出して大阪発イスタンブール行きのジェット機に乗せたOkan Kosemenは、その後同機でこの日産自動車元会長に同行したと報道されている。
同報道によると、ゴーンは箱の中に潜みながら、TaylorとZayekと共に首尾よく搭乗することができたようだ。要人乗客はセキュリティチェック無しで搭乗が許可されることがよくあるからだ。空港の記録によると、この二人はその後ジェット機を降り、大阪からレバノン行きの民間航空機に乗り込んでいる。
大阪の関西空港の広報担当官タカニシ・ケンジ氏によると、プライベートジェットの荷物検査は民間航空機の場合と同様に行われることになっているが、一部の要人はチェックを免除されることがあったという。
このルノー・日産アライアンス元会長は、その後レバノン行きの別の航空機に移動され、それから間もなく12月30日に夫人と再会を果たした。翌日大晦日を祝うゴーンの様子が写真撮影されている。
トルコ当局はKosmanと4人のパイロットを金曜日に移民の密輸 のかどで起訴した、とWSJ が報道している。
金曜日、ゴーン被告の弁護士は、この一件について憤りを覚え、彼の逃亡によって裏切られたような気持ちだが、公平な裁判を受けられないことに対するビジネスマンの恐怖心は理解できると語った。
「自分の憤りが次第に何か別のものに変わり始めました」とタカノ・タカシ氏は言う。そして日本の司法制度について触れながら、こう続けた。「私は裏切られました。でも、私を裏切ったのはカルロス・ゴーンではありません」
ゴーンは火曜日に次のような声明を発表した。「私は現在レバノンにおり、今はもう日本の不正操作された司法制度の人質状態から解放されています。日本の司法制度では最初から有罪が前提となっており、差別意識がはびこり、基本的人権が否定されているのです」
「私は正義から逃げ出したのではありません。不公正と政治的迫害から逃れたのです。今ようやく自由にメディアと話ができるようになり、来週を心待ちにしています」と彼は言い添えた。