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ペロシ氏がアジア訪問を認めるが、台湾には言及せず

ナンシー・ペロシ米国下院議長が議会代表団を率いてアジア太平洋地域を外遊し、シンガポール、マレーシア、韓国、日本を歴訪する予定であることを、同議長の事務所が7月31日に認めた。(資料写真/AFP)
ナンシー・ペロシ米国下院議長が議会代表団を率いてアジア太平洋地域を外遊し、シンガポール、マレーシア、韓国、日本を歴訪する予定であることを、同議長の事務所が7月31日に認めた。(資料写真/AFP)
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31 Jul 2022 09:07:22 GMT9
31 Jul 2022 09:07:22 GMT9

米国のナンシー・ペロシ下院議長が日曜、今週アジア4カ国を歴訪することを認めたが、台湾に立ち寄る可能性については言及しなかった。ペロシ氏による台湾訪問の可能性は、この民主主義の島を自国の領土と主張する北京との間で、緊張を高めていた。

ペロシ氏は声明の中で、議会代表団を率いてシンガポール、マレーシア、韓国、日本を訪問し、貿易、新型コロナウイルスのパンデミック、気候変動、安全保障、および「民主的統治」について話し合つもりであると述べた。

しかしペロシ氏はまだ、台湾を訪問するかもしれないという報道を認めていない。木曜、中国の習近平国家主席が米国のジョー・バイデン大統領と電話会談し、北京と台湾の問題に干渉しないよう警告している。

北京は、米国が台湾と公式に接触することを、数十年にわたる事実上の独立の恒久化を促す行為とみなしている。しかし米国の指導者たちは、そのような恒久化の手順は支持しないと述べている。米国政府の三権の長の1人であるペロシ氏がもし台湾を訪問すれば、選挙で選ばれた米国高官の中では、1997年のニュート・ギングリッチ下院議長(当時)以来最も高い地位で訪問を果たすことになる。

バイデン政権は、ペロシ氏に台湾訪問を回避するように明確な要請をしていないが、北京に対しては、「けんかを仕掛ける」理由はなく、もしそのような訪問が行われても、米国の政策の変化を示すものではないことを保証しようとしている。

「バイデン大統領の強力なリーダーシップの下、米国は、この地域への賢明で戦略的な関与にあくまでも忠実に取り組んでおり、自由で繁栄しているインド太平洋地域が、我が国と世界の隆盛に不可欠であることを理解している」と、ペロシ氏は声明で述べた。

台湾と中国は、大陸での内戦で共産党が勝利したことを受け、1949年に分裂した。どちらの側も自分たちは1つの国であると述べているが、どちらの政府に国を指導する権限があるかということをめぐり、意見が対立している。両者の間に公式な外交関係はないが、数十億ドル規模の貿易と投資で結びついている。

米国は1979年に外交相手としての承認を台北から北京に変更したが、台湾との関係を非公式に維持している。米国は連邦法によって、台湾が自衛手段を持つように配慮する義務を負っている。

ワシントンの「1つの中国政策」は、両者の地位に関して米国はいかなる立場もとらないが、その争いの平和的な解決を望むとしている。北京は、両者が一つの国であり、共産党がその指導者であるとする代替案「1つの中国原則」を推進している。

中国の反発にもかかわらず、ペロシ氏が台湾訪問に関心を示していることに対し、米国の議員たちは公に支持を表明している。北京に屈しているとは見られたくないのだ。

北京は、ペロシ氏が台湾を訪問した場合の反応の仕方について詳細を明らかにしていないが、国防省は先週、軍は「外部からのいかなる干渉も阻止するため、強力な措置」を講ずると警告した。外務省は、「火遊びをする者は火で滅びる」と述べている。

共産党の軍事部門である人民解放軍は、台湾周辺を飛行する戦闘機や爆撃機の数を増やし、威嚇している。

「空軍の複数の種類のジェット戦闘機が祖国の大切な島の周りを飛び、国家主権と領土保全を維持する能力を鍛え、強化している」と、軍報道官の申進科大佐は日曜、台湾に言及して述べた。

ペロシ氏によれば、代表団には米国下院議員のグレゴリー・ミークス氏、下院退役軍人委員会委員長のマーク・タカノ氏、下院歳入委員会副委員長のスーザン・デルベーネ氏、下院情報常設特別委員会委員で下院監視改革委員会経済消費者政策小委員会委員長のラジャ・クリシュナモルティ氏、および下院軍事外交委員会委員のアンディ・キム氏が参加する。

議会におけるその立場を利用して国際舞台で米国の使節として活動することが増えているペロシ氏にとって、台湾訪問はキャリアの集大成となるだろう。ペロシ氏は以前から人権問題に関して中国に異議を唱えており、今年に入ってから台湾訪問を希望していた。

1991年、新人議員だったペロシ氏は、北京中心部の天安門広場で横断幕を広げ、2年前に共産党が民主化デモを鎮圧した際の犠牲者を追悼したことで、中国当局を苛立たせている。

「台湾への支持を示すことが重要」と、カリフォルニア州選出の民主党議員であるペロシ氏は今月、記者団に語った。
しかし彼女は、米国の政策変更を推奨しているわけではないことも明言している。

「誰も、台湾の独立に関して賛成だと言ったことはない」と、ペロシ氏は述べた。「それは台湾が決めることだ」

金曜、国家安全保障会議のジョン・カービー報道官は、懸念を抑えようとして、ホワイトハウスで次のように述べた。

「けんかを仕掛ける理由がない。1つの中国を尊重する米国の政策には何の変化もないのだから、そんなことをする理由がない」

AP

 

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