
北朝鮮による一連のミサイル実験をめぐって緊張が高まる中、米韓海軍および日本の海上自衛隊は30日、3国による対潜水艦訓練を5年ぶりに実施した。
この訓練は朝鮮半島東岸沖の国際海域で行われた。そのわずか1日前、北朝鮮は同国東海岸沖に弾道ミサイル2発を発射し、カマラ・ハリス米副大統領はソウルと、厳重に警備された南北軍事境界線を訪れた。
29日の実験は、今年前例のない数のミサイルを発射している北朝鮮による、5日間で3回目のミサイル発射だった。
韓国海軍は声明で「北朝鮮が一連の弾道ミサイル発射実験によって一貫して核とミサイルの脅威を示している現在、この訓練は潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を含む北朝鮮潜水艦の脅威拡大に対応する能力を高めるために計画された」と説明した。
米海軍は、今回の訓練は3カ国間の相互運用性と戦術・技術的協調を強化するものだと説明した。
米海軍および海上自衛隊は、台湾海峡での中国の行動をめぐる緊張が高まる中、「自由で開かれたインド太平洋」を促進することが期待されるとも指摘している。
この3国による対潜水艦訓練が2017年以降実施されていなかったのは、革新的だった韓国の前政権が南北関係の改善と、2019年以降停滞している北朝鮮と米国による非核化交渉の促進を図ったからだ。
5月に就任した韓国の尹錫悦新大統領は、北朝鮮の進化する兵器の脅威によりうまく対抗するため、韓米日3カ国間の安全保障協力を強化すると明言している。
米海軍の原子力空母「ロナルド・レーガン」や誘導ミサイル巡洋艦「チャンセラーズビル」(9800トン)、イージス艦「バリー」(6900トン)、韓国の駆逐艦「文武大王」(4400トン)、日本の護衛艦「あさひ」(5100トン)などが参加して訓練を行った、と米韓海軍および日本の海上自衛隊は発表した。
この訓練の数日前、米国を拠点とするシンクタンクは、北朝鮮が弾道ミサイルの発射が可能とみられる新型潜水艦の進水準備を進めている可能性があると、商業衛星画像を引用して発表した。
韓国軍も北朝鮮がSLBMの発射実験の準備をしている可能性があるという兆候を察知している、と聯合ニュースは24日、報じた。同軍の報道官は報道内容を事実だと認めなかったが、北朝鮮の潜水艦基地や潜水艦活動を注意深く監視していると述べた。
韓国とその同盟国はまた、北朝鮮が核実験を行おうとしていることを懸念している。核実験が行われた場合、2006年以来7回目、2017年以来初めてとなる。
韓国の諜報機関から説明を受けた韓国の国会議員らは28日、北朝鮮が核実験の準備を完了しており、10月16日から11月7日の間に実験が行われる可能性があると述べた。
ロイター