
北朝鮮による複数の弾道ミサイル発射を受け、岸田文雄首相は3日、情報収集・分析に全力を挙げ、国民に迅速的確な情報提供を行うよう指示した。政府は首相官邸で国家安全保障会議(NSC)を開催。これに先立ち、首相は記者団に「連日続く弾道ミサイル発射は暴挙であり、決して許されるものではない」と北朝鮮を強く非難した。
首相は、米国や韓国などと連携し、引き続き必要な対応を適時適切に行うことも求めた。政府は北京の大使館ルートを通じて北朝鮮に抗議した。
午前7時40分ごろの弾道ミサイル発射を受け、政府は当初、日本列島を越える可能性があると判断。全国瞬時警報システム(Jアラート)を発出したが、実際は通過していないとして情報を訂正した。
これに関し、松野博一官房長官は記者会見で「日本海上空でレーダーから消失した」と説明。「Jアラートが発動された時点では、日本列島を通過する軌道の可能性があった」と述べた。
浜田靖一防衛相は記者団に「北朝鮮は昨日も23発以上のミサイルを発射し、100発以上の砲撃をしたとの情報に接しており、緊張感を持って警戒監視に当たる」と強調した。
日米韓3カ国の北朝鮮担当高官は3日、電話で協議し、国連安全保障理事会での対応を含め、緊密に連携することを確認した。
時事通信