
会計検査院が7日提出した2021年度の決算検査報告書には、21年度までの3年間に政府が取り組んだ新型コロナウイルス関連施策の執行状況まとめが盛り込まれた。
特定できた予算総額は1367事業の計94兆4920億円、うち76兆4921億円が支出済みで執行率は80.9%だった。
政府のコロナ関連事業全体の執行状況が明らかになるのは初めて。
項目別の支出額は、感染防止対策が15兆8855億円、経済・雇用対策が50兆7807億円、地方創生臨時交付金が9兆4375億円、国際協力が3883億円。
22年度への繰越額は計13兆3254億円で、繰り越しもされなかった不用額は4兆6744億円だった。
事業別で支出額が最多だったのは、1人当たり10万円を配った総務省の特別定額給付金給付事業で、12兆7723億円。
不用率が最も高かったのは、19年度末からの全国一斉臨時休校期間中に、子どもの世話で従業員に有給休暇を取得させた事業主らに対する厚生労働省の助成事業。
6人に計約20万円を支給したほか、受け付けやコールセンターの業務委託費約1億4700万円の支出にとどまった。
予算1556億円のうち99.9%が不用額となったが、事業創設から年度末まで半月ほどしかなかったためで、翌年度に実施された同様の事業では約17万4300件で574億円を支給した。
また、支出額が100億円以上で、昨年5月から今年4月までに精算が完了した16事業計3兆4460億円のうち、総額4788億円が支出先の自治体などで使われずに余っていた。
全額が国庫に返納されたという。
検査院は各省庁に対し、支出済みや繰り越し、不用となった金額などについても国民に分かりやすく情報提供するよう求めた。
時事通信