
海上自衛隊は7日、海自創設70周年の国際観艦式に参加した11カ国の海軍艦艇などによる多国間救難訓練を公開した。こうした訓練を行うのは、前回日本で国際観艦式が行われた2002年以来。各国の連携が求められる大規模災害や海難事故に備えたもので、有事の協力体制を確認した。
訓練は関東を直撃した大型台風により、伊豆大島沖で被災した複数の船舶が救助を求めているとの想定で、伊豆大島東方の海上で行われた。オーストラリア、インド、韓国など11カ国の艦艇に、観艦式には出なかった米空母ロナルド・レーガンを加えた約30隻が参加した。
海自の哨戒機が集めた情報を基に、各国艦艇がエリアを分担して要救助者を捜索。救助された人は医療機能の充実した掃海母艦「ぶんご」にヘリで搬送し、自衛隊や各国軍隊から派遣された医官が治療の優先順位を決めるトリアージや、手術などの救護に当たった。
訓練を統制した海自第2護衛隊群司令の清水徹海将補は「参加国の信頼関係を深め、インド太平洋地域の安全保障体制構築に寄与できた」と成果を強調した。
時事通信