
東京都は2023年度、地震の揺れを感知して通電を遮断する「感震ブレーカー」を、老朽化した木造住宅の密集地域(木密地域)の全約32万世帯に無償で配布する。
首都直下地震などによる火災延焼被害を抑える目的で、新年度予算案に約20億円を盛り込む。
配布する感震ブレーカーは、コンセントに差し込むタイプで1台5000円程度。地震による停電から復旧した後、電気ストーブなどの電熱器具から出火する「通電火災」を手軽に防ぐことができる。
地震で懸念されるのが、23区の東部や南部などに広がる木密地域での火災による被害。都が昨年見直した首都直下地震の被害想定では、都内で最大約12万棟が焼失、約2500人が死亡すると推計しているが、このうち多くは足立区や江戸川区、大田区といった木密地域が分布するエリアに集中している。
都は、木密地域で対策を急ぐことが被害軽減のカギになると判断。地域の自治会や町会と連携し、23年度に全世帯へ感震ブレーカーを無償で配布することを決めた。
都内全域の感震ブレーカー設置率は20年度時点で8.3%。都は住民らによる初期消火を徹底した上で、ブレーカー設置率を50%に高めると、首都直下地震で起きる火災による焼失棟数、死者数をいずれも9割近く減らせると試算している。
時事通信