
ミュンヘン時事: ドイツ南部ミュンヘンを訪問中の林芳正外相は18日午後(日本時間同)、中国外交トップの王毅共産党政治局員と約50分間、会談した。2019~21年に日本国内で確認され、政府が「中国の無人偵察用気球と強く推定される」と発表した飛行物体について、林氏は日本側の立場を伝達。「いかなる国の気球であれ、許可なく他国の領空に侵犯すれば領空侵犯になる」とけん制した。
林氏は会談で「日中関係は依然として多くの課題や懸案に直面している」として、沖縄県・尖閣諸島情勢やロシアとの連携を含む軍事活動の活発化に懸念を表明。「台湾海峡の平和と安定」を重視する姿勢も示した。
林氏はウクライナ情勢に関し「責任ある大国としての対応」を取るよう強く促した。
一方で両氏は「建設的かつ安定的な日中関係」の構築を進めることを確認し、首脳間を含むあらゆるレベルで緊密に意思疎通を続けることを申し合わせた。次官級の安保対話や外交当局間協議、経済パートナーシップ協議を近く開く。
王氏は、中国国内の新型コロナウイルス感染拡大に伴い日本政府が実施している水際措置を取り上げた。緩和を求めたとみられ、林氏の訪中も要請した。両氏は、18日に弾道ミサイルを発射した北朝鮮への対応で連携することも確認した。
時事通信