
ミュンヘン:米国のアントニー・ブリンケン国務長官は18日、韓国および日本の外相とともに、北朝鮮による弾道ミサイル発射を受け、各国に対し、北朝鮮に対する制裁措置を強化するよう要請した。
「北朝鮮に影響力を持つ国々は、ここ数年にわたって北朝鮮が歩んできた道筋を変えるために、それを利用すべきである」と、ミュンヘン安全保障会議の場でブリンケン氏は述べた。
先進7カ国(G7)外相会合が18日午前(日本時間同日夜)、ドイツ南部ミュンヘンで開かれた。ロシアのウクライナ侵攻が長期化する中、ウクライナ支援の継続や対ロ制裁の強化で一致。今年のG7議長国として林芳正外相が主宰する最初の会合で、ウクライナのクレバ外相を交えて結束を打ち出した。
北朝鮮による18日の弾道ミサイル発射についても話し合われ、林氏が発表した議長声明によると、G7外相は「国際の平和と安全を脅かしている」として最も強い言葉で非難した。林氏は会合冒頭、ミサイル問題で各国に緊密な連携を要請。G7外相はこの後、ウクライナ情勢を中心に討議した。
会合後、林氏は「侵攻開始から1年を念頭に、ロシアの制裁回避を含めて、G7をはじめとした関係国と適切に対応していく」と説明。24日の侵攻1年の節目をめどに対ロ追加制裁を実施する可能性に言及した。クレバ氏もツイッターで「迅速な武器供与と新たな制裁が行われる」との見通しを示した。
G7外相は、民間人や重要インフラに対するロシアの攻撃を批判し、責任を追及する方針を確認。第三者によるロシア支援の動きへの警戒を高めることも申し合わせた。自国製ドローンをロシアに提供しているイランが念頭にあるとみられる。
アジア唯一のG7メンバーとして日本が重視するインド太平洋情勢を巡っては、自由で開かれた地域秩序を維持する意志を改めて共有した。軍事的威圧や強引な海洋進出を強める中国を念頭に、「力による一方的な現状変更の試みに強く反対する」との姿勢も再確認した。
G7議長国をドイツから引き継いだ日本は、引き続きウクライナ支援に優先的に取り組む方針だが、武器供与に制約がある日本がどこまで議論をリードできるか不透明な部分もある。林氏は今回の会合で、5月に広島市で開く首脳会議(G7サミット)に向け地ならしを図った形だ。
ロイター / 時事通信