新型コロナウイルスワクチンの4月以降の接種について、厚生労働省が重症化リスクの高い高齢者らには年2回を認める方向で検討していることが21日、分かった。5~8月に開始する見通しで、その他の希望者は秋から冬に原則として年1回の接種を受けられるようにする。22日の同省専門部会で議論した上で、3月上旬に正式決定する。
海外の研究などによると、ワクチンによる重症化予防効果は接種から半年以上、死亡予防効果は10カ月以上持続するとの報告がある。オミクロン株対応ワクチンの接種は昨年9月から始まっており、厚労省は重症化リスクの高い人に対しては年2回の接種で免疫力を維持させたい考えだ。
厚労省の別の専門部会は8日、次回接種を「今年秋冬に実施すべきだ」とする方針案を了承。高齢者や医療従事者らに関しては「(秋冬以外の)追加接種の必要性に留意する必要がある」としていた。
新型コロナワクチンは、無料で接種が受けられる予防接種法上の「臨時接種」に位置付けられ、3月末に期限を迎える。
同省は、来年3月まで公費による無料接種を継続する方針。来年4月以降は公費負担の見直しも視野に改めて検討する。「定期接種」などに位置付けた場合、一部自己負担が生じる可能性もある。
時事通信