
ソウル時事:朝鮮中央通信は24日、北朝鮮が23日に北東部・咸鏡北道金策市一帯から日本海に「戦略巡航ミサイル」4発を発射する訓練を行ったと伝えた。同通信は「核抑止力の重要構成部分の一つである戦略巡航ミサイル部隊の迅速な対応能力を確認した」と強調した。
「ファサル(矢)2」型とされる4発は、日本海上空に設定された楕円(だえん)と8の字状の軌道に沿って、2000キロを約2時間50分間飛び、目標に命中したという。日本が射程圏内に入るとみられる。
同通信は「兵器システムの信頼性を再確認した」として核搭載可能なミサイルの実戦配備を誇示。「訓練は目的を成功裏に達した」と伝えた。
北朝鮮は18日に大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射し、20日には短距離弾道ミサイル2発を撃ったばかり。日米韓は22日、日本海で弾道ミサイル対処の共同訓練を行った。北朝鮮は日米韓の訓練に対抗しつつ核・ミサイル能力を高め、内外にアピールしている。
北朝鮮の巡航ミサイル発射は、弾道ミサイルとは異なり国連安全保障理事会決議違反とはならない。弾道ミサイルに比べ速度は遅い一方、低高度で飛行するためレーダーでの探知が困難で、命中精度が高いとされる。日韓両政府は今回の発射を発表していなかった。
北朝鮮は昨年10月に長距離巡航ミサイルの試射を黄海で行い、戦術核運用部隊に配備したと発表している。
時事通信