政府は1日、東日本大震災からの復興の実現に向け、最先端の科学技術研究などを担う「福島国際研究教育機構(F―REI)」を設立し、同日、福島県浪江町で仮事務所の開所式を行った。新たな産業化につながる研究開発や人材育成を進める。
開所式には岸田文雄首相が出席。「東北の復興の夢や希望となるとともに、わが国の科学技術力、産業競争力の強化をけん引する創造的復興の中核拠点となることを目指す」と語った。
機構は東京電力福島第1原発事故の被災地域を足場に、既存の研究機関などと連携しながら(1)ロボット(2)農林水産業(3)エネルギー(4)放射線科学(5)原子力災害―の5分野で研究開発に取り組む。
国が定めた第1期中期計画では2023年度から7年間の事業規模を1000億円程度と見込む。約60人体制でスタートし、29年度までに数百人規模に増やす。23年度はシンポジウムなどを通じて機構の役割や活動内容を発信するほか、外部委託による研究を実施。本施設は30年度までの供用開始を目指し、浪江町内で新規整備を進める。
時事通信