
浜田靖一防衛相は21日午前の記者会見で、情勢が悪化したアフリカ北東部スーダンの在留邦人退避のため、航空自衛隊のC130輸送機1機が周辺国のジブチに向け、空自小牧基地(愛知県小牧市)を同日午後に出発すると発表した。準備が整い次第、C2輸送機、KC767空中給油・輸送機各1機もジブチに派遣する。
20日夜に自衛隊先遣隊として連絡調整員5人が民間機でジブチに向かった。今後、情報収集や邦人退避のルートなどの調整を進める。
スーダンでは正規軍と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」による戦闘が続き、多数の死傷者が出ている。自衛隊の車両をスーダンに出し、在留邦人を同国内の空港まで陸上輸送することについて、浜田氏は「可能性も含めて幅を持って検討している」と述べた。
日本政府によると、スーダンに滞在する邦人はNGOや国際協力機構(JICA)の職員とその家族ら約60人。林芳正外相は21日午前の記者会見で「これまでのところ、生命、身体に影響が及んでいるとの情報には接していない」と語った。
浜田氏は邦人の退避に備え、自衛隊の輸送部隊をジブチに派遣し、待機させる命令を20日に出した。ジブチにはソマリア沖アデン湾で海賊対処活動に当たる自衛隊の拠点がある。
時事通信