
「一貫して主導した」「捜査を察知し資料廃棄を指示した」。東京五輪・パラリンピックを巡る汚職事件の判決で、AOKIホールディングス元会長の青木拡憲被告(84)は21日、裁判長が読み上げる判決理由を神妙な面持ちで聞き入っていた。
午前10時に開廷。裁判長に促され、拡憲被告は実弟の宝久(77)、部下の上田雄久(41)両被告と共に証言台の前に立った。執行猶予付きの有罪とする主文が言い渡されても、直立したまま身じろぎしなかった。
その後、裁判長が判決理由を朗読し、「理事の提案に従い協賛企業になると決め、理事の力を頼ることになったという経緯は一定程度考慮せざるを得ない」などと指摘すると、拡憲被告は大きくうなずいた。一方で、「犯行動機や経緯において責任を低下させる事情があるとは言い難い」と非難された際は微動だにしなかった。
言い渡しは10分余りで終了。拡憲被告ら3人は裁判長と検察官に一礼し、法廷を後にした。
時事通信