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レバノン政府、コロナウイルスで動けない国外居住者の空路帰国計画を承認

レバノン北部トリポリの沿岸都市を俯瞰したようす。レバノンはコロナウイルス感染症の感染拡大を止めるために、厳格な措置を講じている。(AFP通信)
レバノン北部トリポリの沿岸都市を俯瞰したようす。レバノンはコロナウイルス感染症の感染拡大を止めるために、厳格な措置を講じている。(AFP通信)
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01 Apr 2020 08:04:29 GMT9
01 Apr 2020 08:04:29 GMT9
  • レバノンが17人の新たな感染を公式発表したなか、内閣が帰還計画を承認

ナジア・フサリ

ベイルート:レバノン政府の内閣は3月31日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の大流行によって、身動きが取れなくなっている国外居住者を空路で帰国させる特別便の計画を承認した。

内閣が帰還計画を承認した一方で、レバノンは17人の新たな感染を公式発表し、感染者数が463人となっていた。さらに基礎疾患のあった40代のCOVID-19感染者が、死亡したことも報告されていた。このウイルスに感染後、今や国内で12人が命を落としたことになる。

閣議決定された案件は、「COVID-19パンデミックの拡大により、自らの居住国を離れることを望むレバノンの国外居住者を帰還させる計画であり、これにより、帰還プロセスを取り仕切るミドル・イースト航空(MEA)のために、特別に空港を開放することになる」

帰国者の感染有無を確認するために、新たに発注されたCOVID-19の検査キットを医師が受け取り次第、すぐに帰還便は目的地へ出発することになっている。

レバノンの外務省では、自費でレバノンに帰国したい人数を現在調査中だ。

レバノンは現在、COVID-19の感染拡大の有効な防止のために、移動制限を開始して3週目に入っており、首都ベイルート以外の地域では、店舗が再開し、街の交通量が回復してきたという報道がなされていた。

トリポリ北部の街で、生活環境の悪化に異を唱えているトリポリと北部のムフティ、シェイク・マレック・アル・シャールのオフィスの外でデモが行われた。「人々は飢えているのであって、物乞いをしているのではない」と抗議者たちが叫び、バナーを振っていた。

政府命令のもと、多くの企業が閉鎖され、人々は強制的に外出禁止となっているなか、金を稼ぐための別の手段を考案した者も中にはいる。ベイルートの衛生陶器店の主人、オマール・ヒジャージさんは閉鎖命令の後、店舗正面で野菜の露天商を始めた。自分の家族のために食物を与え、「借金、家賃、小さな子どもの養育費を払う」必要があった、とヒジャージさんはアラブニュースに語った。

レバノンの治安部隊に野菜販売を許可してもらうために、野菜の包装や消毒などに関する法令が課されている、とヒジャージさんは語った。「私の店の在庫品には100,000ドルの価値がありますが、今月末までに100ドルを支払うことができません。2日前に野菜を売り始めましたが、これは私自身の本業ではありません。私はすっかり打ちのめされていますが、この危機が過ぎ去るまで、野菜の販売は家族に食物と飲み物を与えてくれるでしょう」と、ヒジャージさんは付け加えた。

しかし、レバノンで多くの人々がこれまで医療従事者を支援してきている。テレビのキャンペーンは、ラフィク・ハリリ大学病院の医療・看護チームへ、そしてレバノン赤十字への寛大な寄付をし、政治家や民間人もまた貧窮家庭の支援のために取り組んできた、と伝えていた。

だが消費者保護協会は、COVID-19感染の危険性にもかかわらず、国内の貧困層は稼ぎのために、じきに母国を離れざるを得なくなるだろうと警告した。

同協会会長のズヘア・ベロ博士は、「貧しい人々はコロナウイルスを心配しているのではありません。自分たちの暮らしの方が心配なのです。私たちは生活水準の悪化を目の当たりにしています」と語った

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